看護師 過去問
第113回(2024年2月)
問92 (午前 問92)
問題文
Aさん(49歳、女性)は、これまで在宅勤務でほとんど外出することがなく、BMI33であった。Aさんは久しぶりの出勤の際に転倒し、右大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)と診断され、右人工股関節置換術を受けることになった。
術後1日、Aさんは39.1℃の発熱がみられた。
バイタルサイン:呼吸数 18/分、脈拍 117/分、整、血圧 132/82mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>97%(room air)。
身体所見:呼吸音は異常なし、腰背部痛なし、術創部の腫脹、発赤、熱感はない。左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤、熱感がある。
血液検査所見:赤血球 344万/μL、Hb 12.1g/dL、白血球 11,900/μL、血小板 18万/μL。
血液生化学所見:尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、CRP 11.4mg/dL。
尿所見:沈査に白血球を認めない。
胸部エックス線写真:異常所見なし。
Aさんの発熱の原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。
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問題
看護師試験 第113回(2024年2月) 問92(午前 問92) (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(49歳、女性)は、これまで在宅勤務でほとんど外出することがなく、BMI33であった。Aさんは久しぶりの出勤の際に転倒し、右大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)と診断され、右人工股関節置換術を受けることになった。
術後1日、Aさんは39.1℃の発熱がみられた。
バイタルサイン:呼吸数 18/分、脈拍 117/分、整、血圧 132/82mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>97%(room air)。
身体所見:呼吸音は異常なし、腰背部痛なし、術創部の腫脹、発赤、熱感はない。左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤、熱感がある。
血液検査所見:赤血球 344万/μL、Hb 12.1g/dL、白血球 11,900/μL、血小板 18万/μL。
血液生化学所見:尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、CRP 11.4mg/dL。
尿所見:沈査に白血球を認めない。
胸部エックス線写真:異常所見なし。
Aさんの発熱の原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 肺炎(pneumonia)
- 腎盂腎炎(pyelonephritis)
- 術創部感染
- 術後の吸収熱
- カテーテル関連血流感染症(catheter related bloodstream infection)
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この過去問の解説 (3件)
01
適切なのは、術後の吸収熱とカテーテル関連血流感染症です。
Aさんは術後1日に39.1℃の発熱があります。術後早い時期の発熱では、手術による体への負担や組織の修復反応として起こる吸収熱を考えます。また、左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤と熱感があるため、カテーテル関連血流感染症も発熱の原因として考えられます。術後48〜72時間以内の発熱は、手術による炎症反応などで起こることがあります。また、カテーテル関連血流感染症では、発熱などの感染徴候がみられます。
これは適切ではありません。
肺炎では、発熱のほかに、咳、痰、息苦しさ、呼吸音の異常、酸素飽和度の低下、胸部エックス線写真の異常などがみられることがあります。
Aさんは呼吸数が18回/分で、SpO2は97%です。呼吸音に異常はなく、胸部エックス線写真にも異常所見がありません。
そのため、この情報からは肺炎は考えにくいです。
これは適切ではありません。
腎盂腎炎は、腎臓に細菌感染が起こる病気です。発熱のほかに、腰背部痛や尿の異常がみられることがあります。
Aさんには腰背部痛がありません。また、尿所見でも白血球を認めていません。尿に白血球が多く出る場合は尿路感染を疑う手がかりになりますが、この問題ではその所見がありません。
そのため、腎盂腎炎は発熱の原因として考えにくいです。
これは適切ではありません。
術創部感染では、手術した傷の周りに、発赤、腫脹、熱感、痛み、膿などがみられることがあります。
Aさんの術創部には、腫脹、発赤、熱感がありません。
そのため、術創部感染による発熱とは考えにくいです。
これは適切です。
吸収熱は、手術で傷ついた組織や出血、滲出液などを体が吸収していく過程で起こる発熱です。手術後の早い時期にみられやすい発熱です。
Aさんは術後1日で発熱しています。肺炎、腎盂腎炎、術創部感染を強く疑う所見が乏しいため、手術後の体の反応として起こる術後の吸収熱が考えられます。
ただし、発熱が続く場合や全身状態が悪くなる場合は、感染症なども考えて観察を続ける必要があります。
これは適切です。
Aさんは、左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤と熱感があります。これは、カテーテルを入れている部分に炎症や感染が起きている可能性を示す所見です。
カテーテル関連血流感染症では、カテーテルを通じて細菌が血液の中に入り、発熱などを起こすことがあります。カテーテル感染では、発熱、悪寒、低血圧などが感染の徴候として挙げられます。
そのため、Aさんの発熱の原因としてカテーテル関連血流感染症が考えられます。
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02
Aさんの発熱の原因で考えられるのは、
「カテーテル関連血流感染症(catheter related bloodstream infection)」
「術後の吸収熱」です。
不正解です。
呼吸音やSpO2が正常であること、胸部エックス線写真で異常所見がないことから肺炎は原因として考えにくいです。
肺炎の場合は発熱のほかに
・断続性ラ音
・呼吸音減弱
・胸部エックス線の浸潤影
などが確認できます。
不正解です。
腎盂腎炎の場合、腰背部痛や白血球の増加がみられます。
不正解です。
術創部感染では、術創部の腫脹、発赤、熱感がみられます。
Aさんはこれらの症状がみられないので、術創部感染が発熱の原因とは考えにくいです。
正解です。
術後の吸収熱は、感染によるものではなく手術の侵襲の回復のために起こる発熱です。
正解です。
Aさんは左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤、熱感が認められることから、カテーテル関連血流感染症(catheter related bloodstream infection)が考えられます。
長期間カテーテルを留置していると、カテーテル関連血流感染症が起こる可能性が高まります。
Aさんの発熱は、術後であることや末梢血管内カテーテル刺入部に発赤、熱感が認められることから正答を導けるでしょう。
不適当な選択肢を外すには、各感染症による検査値の変化や症状を理解しておくことが重要です。
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03
正解は「カテーテル関連血流感染症(catheter related bloodstream infection)」
「術後の吸収熱」です。
Aさんは手術後に発熱があり、いくつかの原因が考えられます。
身体所見や血液検査の結果、呼吸器や尿路に明らかな感染徴候がないため、発熱の原因として術後の吸収熱や、カテーテル関連血流感染症が疑われます。
胸部エックス線写真で異常所見がなく、また呼吸音も正常であることから、肺炎の可能性は低いです。
呼吸数やSpO2も正常範囲内であるため、肺炎が原因である可能性は低いと考えられます。
Aさんに腰背部痛や尿検査での白血球の増加が見られないため、腎盂腎炎の可能性は低いです。
腎機能に異常もないため、この診断は否定的です。
術後の創部に腫脹、発赤、熱感が認められないため、術創部感染の可能性は低いです。
術後の吸収熱は、手術に伴う組織破壊や炎症反応によって発熱が引き起こされることがあります。
手術直後の発熱はしばしば吸収熱として説明されますが、感染がない場合に限られます。
左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤、熱感があることから、カテーテル関連血流感染症の可能性が高いです。
この感染症は、手術後や長期間のカテーテル挿入時に見られ、全身の炎症反応や発熱を引き起こすことがあります。
Aさんの発熱の原因として、カテーテル関連の感染症が疑われ、また術後の吸収熱も考慮されます。
肺炎や腎盂腎炎、術創部感染は今回の検査結果や症状から除外されます。
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