看護師 過去問
第114回
問51 (午前 問51)

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問題

看護師試験 第114回 問51(午前 問51) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(27歳、男性)は、突然の胸痛と呼吸困難があり、救急外来を受診した。意識は清明。身長179cm、体重63kg、胸郭は平である。20歳から1日50本の喫煙をしている。バイタルサインは、体温36.1℃、呼吸数22/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)96%(room air)である。
胸部CTを以下に示す。
Aさんの所見から考えられるのはどれか。
問題文の画像
  • 酸素吸入が必要である。
  • 抗菌薬投与が必要である。
  • 右肺野の呼吸音は減弱している。
  • 左胸腔内は液体成分で占められている。

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この過去問の解説 (3件)

01

呼吸器症状、CTの所見で右肺が虚脱し、外側に空気が漏れていることから気胸を疑います。気胸は20歳前後の長身、痩せ型の男性に多く見られることも特徴です。

選択肢1. 酸素吸入が必要である。

×

SP02=96%であるため酸素投与は不要です。一般的に90%以下になると酸素投与が必要となります。

選択肢2. 抗菌薬投与が必要である。

×

抗菌薬は不要です。気胸の治療は軽度のものは安静で経過観察、中等度になると胸腔ドレーンを挿入し空気を外に排出します。再発を繰り返す場合などは外科的手術を行い気胸の原因であるブラを切除します。

選択肢3. 右肺野の呼吸音は減弱している。

⚪︎

肺が虚脱し気管から肺胞までの空気の流れが弱くなるため、呼吸音が減弱します。

選択肢4. 左胸腔内は液体成分で占められている。

×

胸腔内にたまる液体は胸水と呼ばれます。胸水のCT所見は肺の下側に白く映るのが特徴です。

まとめ

患者さんの症状や疾患の特徴を関連づけることで、何の疾患の可能性であるか予測がつきやすくなります。

 

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02

突然の胸痛と呼吸困難だけでは判断できませんが、呼吸数がやや増加し、軽度SPO2の低下も見られます。喫煙歴、年齢、性別、体型から気胸を疑う症例です。

胸部CT所見から右肺の虚脱し、肺の辺縁部が胸壁から離れて内側に寄っていることが確認できます。

黒い影として映っている部分は、肺の外側に漏れた空気が貯留していることを示しています。

気胸の治療、症状を学習して解答してみましょう。

選択肢1. 酸素吸入が必要である。

×呼吸困難があり、経皮的動脈血酸素飽和度がやや低下しているものの、Room airでSPO2 96%を維持できているので、酸素投与は不要です。

選択肢2. 抗菌薬投与が必要である。

×発熱はなく、採血データも示されていないため、事例の状態で細菌感染を引き起こしていると確定診断できる材料はありません。

現時点で抗菌剤投与が必要だとは言えません。

選択肢3. 右肺野の呼吸音は減弱している。

気胸を起こしている部分は、肺が損傷して虚脱し、換気が障害されることから、呼吸音が減弱します。

選択肢4. 左胸腔内は液体成分で占められている。

CT画像上、左胸腔内に液体成分は認めません。

まとめ

明らかな原因がなく起こる自然気胸は、10代後半~30代前半の長身痩躯の男性に多い疾患です。

高齢者ではCOPDや肺気腫、気管支喘息、間質性肺炎などの基礎疾患のあるひとや喫煙者に多く見られます。

Aさんは自然気胸を起こしやすい人の特徴と合致しますので、気胸の症状や治療と照らし合わせれば解答することができます。

 

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03

気胸のCT画像では、漏れた空気の部分が、黒く写ります。

よって、この患者の胸部CT画像は、

右肺の気胸が起こっていることが考えられます。

 

自然気胸は、背が高くて痩せ型の20代男性に発症しやすく、

喫煙などもハイリスクになります。

症状は、突然の胸の痛み、呼吸困難、咳などですので、

Aさんは右肺の自然気胸を起こしていることが分かります。

選択肢1. 酸素吸入が必要である。

ルームエアーで酸素飽和度は、96%です。

酸素吸入の必要性は、まだないと考えられます。

呼吸困難を訴えているため、

酸素の準備は必要と思われます。

よって、こちらは該当しません。

選択肢2. 抗菌薬投与が必要である。

細菌感染を起こしているわけではないため、

抗菌薬の投与は必要ないと思われます。

よって、こちらは該当しません。

選択肢3. 右肺野の呼吸音は減弱している。

右肺の虚脱を起こしているため、

右肺野の呼吸音は減弱します。

よって、こちらが該当します。

選択肢4. 左胸腔内は液体成分で占められている。

左胸腔内に、体液成分の貯留は見られないため、

こちらは該当しません。

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