看護師 過去問
第114回(2025年2月)
問106 (午前 問106)

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問題

看護師試験 第114回(2025年2月) 問106(午前 問106) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aちゃん(1歳4か月、女児)は、午前9時ころ、ポータブル型のゲーム機用の直径10mmのボタン型電池を誤飲し、午前10時に両親に付き添われ外来を受診した。看護師がAちゃんを観察すると、機嫌は良くバイタルサインも安定していた。Aちゃんに成長や発達の遅れはない。
待合室にはAちゃんの他に3人の患児が診察を待っていた。それぞれは以下のとおりである。
B君(1歳3か月、男児):今朝、カーペットの敷かれたフロアで歩行中に転倒。バイタルサインは正常、顔色良好。母親に抱っこされて遊んでいる。
Cちゃん(3歳、女児):体温39.5℃、呼吸数23/分、脈拍100/分、鼻汁多量、機嫌良好、顔色良好。
D君(9か月、男児):自宅で痙攣したため受診。初めての痙攣で、5分間継続したが、受診時には止まっている。待合室にて3回の嘔吐。体温38.7℃。声かけで開眼するが、すぐにうとうとする。
このときの看護師のトリアージで診察を受ける優先度が高いのはどれか。
  • Aちゃん
  • B君
  • Cちゃん
  • D君

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この過去問の解説 (2件)

01

小児に関する状況設定問題です。

状況設定問題は同じシナリオの内容で、大体3問連続で出題されます。

長い文章とたくさんの情報に惑わされそうになりますが、どんな状況設定問題であっても情報を整理するコツは同じです。

シナリオを読み始める前に、以下のことを実践しましょう。

 

 ・まずはシナリオ最後にある「この設問で問われていることは何か」を確認します。

 ・次に選択肢の内容から関連する情報を予測します。

 

この2点を前もって行うと、必要な情報とそうではない情報の取捨選択をしながらシナリオを読むことができます。

 

1問目は小児のトリアージに関する問題です。

小児救急でトリアージは緊急性により、受診に優先順位をつけることを言います。

緊急性が高い場合は、医師に報告し、迅速な処置を行うことが求められます。

この時の判断基準は、以下の観察を行い評価します。

  ・呼吸困難

  ・チアノーゼの有無

  ・意識レベルの低下

  ・筋緊張

  ・周囲への反応(会話、啼泣、視線など)

  ・皮膚の色調

  ・出血の有無

  ・脱水の徴候

選択肢1. Aちゃん


ボタン電池を誤飲した場合、食道などに電池が停滞することで粘膜に潰瘍ができ、穴が開くなどの重篤な症状が短時間で生じる可能性があります。

時間が経過すると消化管に癒着する可能性もあるため、まずはボタン電池がどこに停滞しているかレントゲンなどで確認する必要があります。
緊急性は高いですが、まずレントゲン撮影を先に行う必要があります。

 

選択肢2. B君

×
身体の特徴上子供は頭部が大きいこともあり、転倒時は頭部を打撲しやすく、小児では起こりやすい事故です。
意識状態がよく、嘔吐やけいれんがない、手足が動かせている、ぶつけた場所に外傷がない場合は経過観察をします。

B君は「バイタルサインは正常、顔色良好。母親に抱っこされて遊んでいる。」とありますので優先順位は低く、経過を見ながら待合室で待機してもらいます。

選択肢3. Cちゃん

×
39.5℃と熱は高いですが、機嫌は良く、顔色良好です。

現状であれば解熱剤を使用し経過観察でよいと判断できます。

優先順位は低く、坐薬挿肛して解熱を図り、経過を見ながら待合室で待機してもらいます

ぐったりしていたり、反応が鈍い、けいれんを起こしている、呼吸状態が悪い、嘔吐があるなど、その他緊急性を要する随伴症状がある場合は優先順位が高くなります。

 

選択肢4. D君


受診時にはけいれん発作は落ち着いていますが、体温は38.7℃と高く、嘔吐や意識レベルの低下も見られています。

けいれんの後は、けいれんが5分以上続く、意識が戻らない、呼吸がおかしい、初めてのけいれんなどの場合は、すぐに診察が必要です。

 

まとめ

緊急度の判定は以下の5段階レベルで評価します。

(日本救急医学会 日本救急看護学会 日本小児救急医学会 日本臨床救急医学会:緊急度判定支援システム 参照)

 

レベル1蘇生:直ちに治療・診察が必要

レベル2緊急:10分以内に診察が必要

レベル3準緊急:30分以内に診察が必要

レベル4:低緊急:1時間以内に診察が必要

レベル5:非緊急:2時間以内に診察

 

これに小児では以下を参照して

レベル1:けいれん(持続状態)、意識障害(高度)、頭部外傷、重度の呼吸障害

レベル2:重度の脱水症、息切れ(中等度の呼吸障害O2Sat<92%)、普通ではない流延を伴う咽頭痛、歯の完全脱落

レベル3:救急部門受診前のけいれん(現在意識清明)異物誤飲(呼吸障害なし)、口腔内の切創、中等度の喘息(O2Sat=92~94%)

    頭部外傷(意識消失を認めたが現在は意識清明GCS14~15)

レベル4:軽度の喘息(O2Sat>94%)、裂創・挫創・縫合が必要、軽度の頭部外傷(意識消失を認めない)発熱(具合よさそう)

レベル5:包帯交換、処方の継続希望、軽微な咬傷、縫合の必要のない軽度の裂傷

 

この緊急度判定支援システムを参照に判断すると、Aちゃん(異物誤飲)とD君(受診前けいれん)では同じレベル3と判断されますが、D君は意識レベルの低下や嘔吐などの症状も見られており、Aちゃんより優先的に診察する必要があると判断できます。

B君、Cちゃんはレベル4に該当するため、優先順位は低くなります。

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02

正解は、「D君(9か月、男児)」です。

 

看護師のトリアージで

診察を受ける優先度が高いのはどれかを選択する問題です。

 

小児トリアージでは、

呼吸や循環、意識の異常が最優先されます。

選択肢1. Aちゃん

誤った解答です。

Aちゃんは、約1時間前にボタン型電池を誤飲しています。

ボタン型電池の誤飲では、

消化管壁の潰瘍や穿孔を起こするリスクが高く、

できるだけ早い診察が必要ですが、

この時点では、機嫌はよく、バイタルサインも安定しています。

優先順位は高くありません。

選択肢2. B君

誤った解答です。

B君は、転倒後で、外傷や頭部打撲の可能性はありますが、

現時点で異常所見はなく、 優先度は低くなります。

選択肢3. Cちゃん

誤った解答です。

Cちゃんは、39.5℃の高熱がみられますが、

呼吸数や脈拍は落ち着いていて、機嫌もよいため、

この時点での優先度は低くなります。

選択肢4. D君

正しい解答です。

D君は、初めての痙攣発作(5分間)を起こし、

待合室で3回嘔吐、傾眠状態となっています。

痙攣発作の原因が不明で、意識レベルの変化がみられていることから、

D君が最優先となります。

まとめ

このケースでは、

看護師のトリアージで診察を受ける優先度が高いのはD君で、

次いで、合併症を起こす可能性が高いAちゃん、となります。

 

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