看護師 過去問
第114回
問211 (午後 問91)

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問題

看護師試験 第114回 問211(午後 問91) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(88歳、男性)は妻(82歳)と2人で暮らしている。息子2人は独立して生活している。要介護度は5で、エアマットレスを使用している。食事は妻の介助で1日1回ペースト食を食べているがむせることもあり、食事が全くとれない日もある。排泄はオムツを使用し、毎日訪問介護サービスを利用して、オムツ交換と陰部洗浄を受けている。訪問看護は週3回利用している。Aさんは妻が話しかけると返事はするが自発的な会話はない。着替えをするときに上肢を動かすと苦痛表情がある。
Aさんの家族への助言で適切なのはどれか。
  • 体位変換を2時間ごとに行う。
  • 関節可動域訓練を1週間に1回行う。
  • ペースト食を食べる回数を1日3回にする。
  • 食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する。」です。

 

口腔ケアは、口腔内の細菌を除去し、誤嚥性肺炎を予防する目的があります。

食事が摂取できない時間があると、

唾液の分泌が減少し、より細菌が繁殖しやすくなるため、

定期的な口腔ケアが必要です。

選択肢1. 体位変換を2時間ごとに行う。

誤った解答です。

Aさんは、要介護5でエアマットレスを使用しており、

褥瘡予防のための体圧分散はできていると思われます。

妻も高齢であり、2時間ごとに体位変換を行うことは、

介護負担が大きくなるため、現実的ではありません。

選択肢2. 関節可動域訓練を1週間に1回行う。

誤った解答です。

関節可動域訓練は、

関節拘縮予防などのために実施されます。

Aさんは、着替えの際に上肢を動かすと痛みを訴えており、

すでに関節拘縮が起こっている可能性があります。

1週間に1回では、十分な効果が得られません。

選択肢3. ペースト食を食べる回数を1日3回にする。

誤った解答です。

Aさんは、1日1回のペースト食でもむせることがあります。

1日3回と決めて摂取を促すことは、

誤嚥や窒息のリスクが増すため、

Aさんの状態に合わせて、食べられるときに摂取するほうが、

QOLの視点からも現実的です。

選択肢4. 食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する。

正しい解答です。

感染予防の観点から、

食事を摂取していなくても、毎日口腔ケアを実施します。

口腔内の清潔を保持することが、

嚥下機能の維持にもつながります。

まとめ

Aさんの家族への助言で適切なのは、

「食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する。」です。

要介護5のAさんを介護している妻への、

介護負担をできるだけ軽減する視点を持つ必要があります。

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02

適切な助言:食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する
食事が取れない日でも唾液や痰は口の中に溜まりやすく、細菌が増えると誤嚥性肺炎の危険が高まります。

水分や保湿ジェルを使った口腔ケアは比較的楽に行え、感染予防と口腔乾燥の軽減に役立ちます。

選択肢1. 体位変換を2時間ごとに行う。

エアマットレスは体圧を分散するため、標準の2時間より長い間隔(4時間程度)でも褥瘡予防効果が保てる場合があります。

毎回の負担が大きい2時間ごとの変換を家族だけで続けるのは現実的とはいえません。

選択肢2. 関節可動域訓練を1週間に1回行う。

拘縮予防には毎日か少なくとも週数回の実施が推奨されます。

週1回では効果が不十分です。

選択肢3. ペースト食を食べる回数を1日3回にする。

嚥下機能が低下し、むせや食事不能の日がある状況で回数を増やすと誤嚥リスクが上がります。

専門職(言語聴覚士など)の評価と段階的調整が先です。

選択肢4. 食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する。

誤嚥性肺炎の予防口腔乾燥の緩和に不可欠です。

食事量にかかわらず毎日行うよう勧めます。

まとめ

口腔ケアは「食べた時だけ」では不十分

水分摂取が乏しい日は特に衛生維持が重要です。

体位変換や関節運動は、負担と効果を看護師・リハビリ職と相談して現実的な頻度を設定しましょう。

食事回数の変更は嚥下評価を経て安全を確認してから行うのが原則です。

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