看護師 過去問
第114回
問216 (午後 問96)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師試験 第114回 問216(午後 問96) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(55歳、男性、会社員)。激しい胸痛で救急搬送され、心筋梗塞(myocardial infarction)と診断された。冠動脈バイパス術<CABG>を受け、ICUに入室した。
手術中の輸液量2,700mL、輸血量400mL、出血量280mL、尿量200mLであった。手術から6時間が経過し、人工呼吸器が装着され、心囊ドレーンと、胸腔ドレーンが留置中である。
身体所見:体温37.1℃、脈拍63/分、血圧126/62mmHg、末冷感はなし。肺野全体に湿性ラ音を聴取、漿液性の気道分泌物を認める。
検査所見:吸入酸素濃度40%、動脈血酸素分圧<PaO2>95Torr、動脈血炭酸ガス分圧<PaCO2>36Torr、中心静脈圧12cmH2O、心エコー検査では左室駆出率<LVEF>45%、心囊液の貯留なし。胸部エックス線写真では両肺野の広範に透過性の低下を認める。
術後3日、心臓リハビリテーションが開始された。
Aさんは「傷の痛みはありますが、血管をつないだから安心ですね。落ちついたら、家族と温泉に行きたいです」と看護師に話した。
Aさんの生活指導で適切なのはどれか。
  • 「肩までお湯に入りましょう」
  • 「お湯の温度は43℃以上にしましょう」
  • 「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」
  • 「心筋梗塞(myocardial infarction)による心不全(heart failure)があるので入浴は控えましょう」

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」です。

 

食後は消化管への血流が増加します。

食後、時間をおかずに入浴すると、末梢血管が拡張し、
心負荷が増大するおそれがあるため、

食後1時間以上経過してからの入浴が推奨されます。

 

 

選択肢1. 「肩までお湯に入りましょう」

誤った解答です。

肩までお湯に入る全身浴は、

静脈還流量が増加し、心負荷を高めます。

Aさんには、シャワー浴か半身浴を指導します。

選択肢2. 「お湯の温度は43℃以上にしましょう」

誤った解答です。

43℃以上の高温での入浴は、交感神経を刺激し、

血圧や心拍数を上昇させるため、心負荷が増大します。

Aさんには、

38~40℃の、ぬるめのお湯での入浴を指導します。

選択肢3. 「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」

正しい解答です。

冒頭文のとおりです。

選択肢4. 「心筋梗塞(myocardial infarction)による心不全(heart failure)があるので入浴は控えましょう」

誤った解答です。

Aさんは、心臓リハビリも開始されています。

心不全がある場合でも、

無理のない範囲で入浴は可能であり、控える必要はありません。

まとめ

Aさんの生活指導で適切なのは、

「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」です。

冠動脈バイパス術後のAさんには、

循環動態への負担を軽減しながら、

安全に実施できる入浴方法を指導することが適切です。

参考になった数0

02

正しい選択肢:食後1時間以上経過してから入浴しましょう
入浴直後は全身の血管が拡張し心拍出量が増えます。

食後すぐは消化管にも血液が集まるため、心臓の負担がさらに大きくなります。

術後まもない心筋梗塞患者では、食後少なくとも1時間は休んでから入浴することが安全です。

選択肢1. 「肩までお湯に入りましょう」

肩まで浸かる全身浴は水圧で静脈還流が急増し、心負荷が高くなります。

術後早期は半身浴(みぞおち程度)が推奨されます。

選択肢2. 「お湯の温度は43℃以上にしましょう」

高温浴は交感神経を刺激し血圧・心拍数が上がります。

一般には38~40℃程度のぬるめが安全です。

選択肢3. 「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」

消化管への血流が落ち着いてから入浴すれば循環への急激な負担を避けられます。

適切な助言です。

選択肢4. 「心筋梗塞(myocardial infarction)による心不全(heart failure)があるので入浴は控えましょう」

LVEF45%と中等度の機能低下ですが、状態が安定していれば医師の許可のもとで軽い入浴リハビリは可能です。

完全禁止とする必要はありません。

まとめ

術後の入浴は①ぬるめの温度(38~40℃)、②半身浴、③食後1時間以上空けるの三つを守ると安全です。

息切れや動悸が出たらすぐに出浴し、脱水予防のため入浴前後に水分補給を行いましょう。

 

参考になった数0