看護師 過去問
第114回
問228 (午後 問108)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師試験 第114回 問228(午後 問108) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
A君(5歳6か月、男児)は、二分脊椎(spina bifida)のため、繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を両親が実施している。現在、間欠的自己導尿は、保育所での実施を含めて1日6回行うよう医師が指示しており、自宅では両親が導尿している。A君は下肢の運動機能障害があるが、自分で車椅子からトイレに移動でき、指先の微細な動きもできる。
外来受診の際に母親から「地元の小学校に入学予定です。小学生になったら自分で導尿できたほうが良いと聞きました。Aも間欠的自己導尿をやってみたい、と言っています。どのように進めたらよいか分からず、焦っています」と看護師に相談があった。
11歳になったA君は間欠的自己導尿を自分で実施している。本日の定期受診時の尿検査で、尿蛋白+、赤血球(−)、白血球2+、尿の混濁+の所見がみられた。
受診に付き添った父親から「最近、Aは親の言うことを聞かないし、あまり口をきいてくれません。家では自立して間欠的自己導尿を行っていますが、学校でもやっているのか心配です」と発言があった。A君の水分摂取や運動の状況は以前と変わらない。
外来看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  • 導尿の必要性をA君に説明する。
  • 学校での導尿の状況についてA君と話す。
  • 父親に、親が学校に行って導尿を実施するよう伝える。
  • 導尿の手順が書かれた表を渡し、できたところにA君にシールを貼ってもらう。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「学校での導尿の状況についてA君と話す。」です。

 

11歳になったA君は、親に反抗的な態度をとるようになりました。

父親は学校での自己導尿の実施状況を心配していますが、

受診時の尿検査所見から、尿路感染が疑われ、

きちんと実施できていない可能性があります。

A君の発達段階をふまえ、

学校での導尿の実施状況について、A君と話すことが必要です。

 

選択肢1. 導尿の必要性をA君に説明する。

誤った解答です。

A君は5歳から間欠的自己導尿を行っており、

自宅では自立して実施できています。

導尿の必要性は理解できていると思われ、

最も適切な対応ではありません。

選択肢2. 学校での導尿の状況についてA君と話す。

正しい解答です。

まずは、A君の気持ちや実際の実施環境などを、

丁寧に確認することが、

今後の支援のために必要です。

 

選択肢3. 父親に、親が学校に行って導尿を実施するよう伝える。

誤った解答です。

親が学校に行って導尿を実施することは、

A君の自立心を損なう恐れがあります。

最も適切な指導ではありません。

選択肢4. 導尿の手順が書かれた表を渡し、できたところにA君にシールを貼ってもらう。

誤った解答です。

A君はすでに間欠的自己導尿の手技を獲得しています。

また、導尿の手順が書かれた表を渡し、

できたところにA君にシールを貼ってもらう、といった方法は、

幼児期~学童前の前半に適した指導方法です。

最も適切な指導ではありません。

 

まとめ

外来看護師の対応で最も適切なのは、

学校での導尿の状況についてA君と話す。」です。

A君は11歳になり、思春期にさしかかっています。

自立心や自尊心を損なわないような、丁寧な対応が必要です。

参考になった数0

02

正しい選択肢:学校での導尿の状況についてA君と話す
尿たん白や白血球の増加は、導尿の回数不足や不潔操作による感染が考えられます。

まずは「学校で本当にできているか」という事実をA君自身から聞き取り、困っていることや理由を把握することが最優先です。

対話によってA君の気持ちや実際の行動を知ることで、必要な支援(学校での場所・時間の確保、教員への連絡など)を具体的に検討できます。

選択肢1. 導尿の必要性をA君に説明する。

基本的な説明は大切ですが、すでに長期間実施している11歳のA君には理解があると考えられます。

今回は実施状況の確認と環境調整を優先します。

選択肢2. 学校での導尿の状況についてA君と話す。

実際にどの程度行えているか、どんな不便や恥ずかしさがあるかを本人から聞き出し、問題点を明確にできます。

最も具体的かつ効果的な第一歩です。

選択肢3. 父親に、親が学校に行って導尿を実施するよう伝える。

11歳で自立を目指す時期に逆戻りさせると、A君の自尊心を損ねる恐れがあります。

本人の主体性を尊重すべきです。

選択肢4. 導尿の手順が書かれた表を渡し、できたところにA君にシールを貼ってもらう。

低年齢向けの方法で、11歳には幼く感じる可能性があります。

動機付けよりもまず現状把握が必要です。

まとめ

本人から現状を聞くことが最優先

A君が学校で導尿しにくい理由(時間割、場所、友達の目など)を共有し、看護師・家族・学校が協力して解決策を考えることで、感染予防と自立の両立が図れます。

参考になった数0