看護師 過去問
第114回
問13 (午前 問13)

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問題

看護師試験 第114回 問13(午前 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

心電図波形を以下に示す。心室頻拍(ventricular tachycardia)はどれか。
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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「④」です。

 

心室頻拍(ventricular tachycardia)は、

心室不整脈の一種です。

心室がけいれんした状態となり、

心室細動に移行する恐れのある、

致死性不整脈です。

選択肢1. ①

誤った解答です。

①の心電図は、

p波が消失しており、f波(基線が小刻みに揺れる)が認められます。

また、RR間隔も不規則です。

これは、心房細動の心電図波形です。

心房細動では、心房が細かく不規則に興奮し、

心室への刺激伝導が不規則となります。

選択肢2. ②

誤った解答です。

②の心電図は、

P波がなく異常に幅広いQRS波が出現し、

RR間隔は一定です。

これは、心室性期外収縮の心電図波形です。 

心室性期外収縮は、

心室からの異常な電気刺激により、

定期的な拍動から外れて収縮する不整脈です。

 

選択肢3. ③

誤った解答です。

③の心電図は、洞調律ですが心拍数が多いです。

これは、洞性頻脈の心電図波形です。

洞性頻脈は、

自律神経の活動の影響を受けて起こります。

選択肢4. ④

正しい解答です。

④の心電図は、

幅広いQRS波が3回以上連続しており、

P波が確認できません。

これは、心室頻拍の心電図波形です。

まとめ

心室頻拍(ventricular tachycardia)の心電図波形は、「④」です。

心室頻拍では、心拍出量の低下が著しく低下し、

生命に危険を及ぼします。

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02

まず、この問題で押さえておきたいことは、心室頻拍の波形の特徴です。

心室頻拍(VT)とは、心室で起こる異所性刺激が連続して発生することで頻脈となります。経過観察でよい場合と、持続すると血行動態の悪化や心筋虚血を生じ、重症化すると心室細動に移行し、突然死に直結することもある、致死的な不整脈となる場合もあります。

心電図波形の特徴としては、以下の2点があげられます。覚えておきましょう。

・単形性心室頻拍…P波がない、幅広い同じQRS波が連続して発生している。

・多形性心室頻拍…QRS波の波形の形が変化し、尖った部分がねじれている。

選択肢1. ①

この波形の特徴は、RR間隔が不規則であり、P波が認識できないこと、また、基線に不規則で細かく小刻みに揺れていることです。これは、心房が細かく痙攣している状態を示しており、心房細動の波形だと考えられます。よって、不適切です。

選択肢2. ②

この波形の特徴は、PP間隔が一定であること、先行するP波がなく、QRS波の幅が広く、異常な形をしていることです。このような波形は、心室期外収縮であると考えられます。よって、不適切です。

心室期外収縮は、発生数や種類によってグレード0~Ⅴの6つの重症度に分類されています(Lown分類)。特にグレード3以上は、致死性不整脈に移行する恐れがあります。覚えておきましょう。

 

選択肢3. ③

この波形は、リズムは整であり、1個1個の波形自体は正常ですが、拍動数が多いという特徴があります。これは、洞性頻脈の波形と考えられるため、不適切です。

選択肢4. ④

P波がなく、本来細いはずのQRS波が幅広くなっています。そして、幅広いQRS波が3連発以上持続して発生して継続しています。これは、単形性心室頻拍の波形の特徴であり、よって適切です。

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