看護師 過去問
第114回
問19 (午前 問19)
問題文
骨盤底筋訓練が有効な尿失禁はどれか。
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問題
看護師試験 第114回 問19(午前 問19) (訂正依頼・報告はこちら)
骨盤底筋訓練が有効な尿失禁はどれか。
- 流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
- 機能性尿失禁(functional incontinence of urine)
- 切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)
- 腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、「腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)」です。
骨盤底筋は、骨盤の底にあり、
子宮や膀胱、直腸などを支えています。
加齢などが原因で骨盤底筋が衰えると、
腹圧性尿失禁や性器脱の原因となります。
誤った解答です。
溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)は、
膀胱内の尿が排出できず、少量ずつ漏れ出る尿失禁のことです。
前立腺肥大症や末梢神経障害などでみられ、
骨盤底筋訓練は有効ではありません。
原因を特定し、薬物治療や間欠的導尿などが行われます。
誤った解答です。
機能性尿失禁(functional incontinence of urine)は、
身体機能や認知機能の低下で、
トイレまで移動できないことが原因の尿失禁です。
骨盤底筋訓練は有効ではありません。
排泄に関する環境調整や排尿誘導などを行います。
誤った解答です。
切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)は、
尿意切迫感から、我慢できず漏れてしまう尿失禁のことです。
骨盤底筋訓練は有効ではありません。
行動療法や薬物療法などが行われます。
正しい解答です。
腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)は、
骨盤底筋の衰えから、腹圧で尿が漏れる尿失禁のことです。
骨盤底筋訓練が効果的です。
骨盤底筋訓練が有効な尿失禁は、
「腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)」です。
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02
この問題でおさえておきたいのは、尿失禁の種類とその対処法です。
骨盤底筋とは、骨盤下部にある筋肉であり、骨盤内臓器を支え、排尿や排便をコントロールする役割を持っています。
この問題でいう、骨盤底筋訓練とは、骨盤底筋を鍛え、尿道括約筋の機能回復をはかるものになります。効果が現れるまでは、約3か月ほどかかるといわれています。
溢流性尿失禁とは、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの様々な疾患により、尿路閉塞や膀胱の収縮力の低下により、膀胱内に溜まっている尿を正常に出せなくなることが原因によって起こります。正常に排尿できないことで、膀胱内に尿がたまりすぎてしまい、限界を超えて尿が溢れ出してしまうことによって尿漏れが起きます。排尿時に時間がかかったり、強い残尿感があることが特徴です。
対策としては、原因となっている疾患の治療や薬物療法、膀胱カテーテル留置、自己導尿などがあげられます。よって、不適切です。
機能性尿失禁とは、尿道や膀胱といった排尿にまつわる臓器が問題ではなく、運動機能や認知機能の低下により、「尿意の出現に伴ってトイレに行って排尿する」という一連の排尿行動ができなくなることをさします。原因が排尿機能の異常ではないため、生活環境を整えたり、介護体制の見直し、おむつの使用、身体機能回復・維持のためのリハビリなどが対処方法として挙げられます。よって、不適切です。
切迫性尿失禁は、過活動膀胱という疾患が原因で起こる症状です。膀胱が自分の意に反して収縮することで、突然強い尿意を感じて漏れてしまったり、トイレに行きたいと思ったり、水の音を聞いたりしただけで尿が漏れてしまったりすることがあります。治療としては、過活動膀胱の治療になるため、不適切です。
腹圧性尿失禁とは、くしゃみや咳、重いものを持ち上げるなどの強い腹圧がかかった際に尿漏れが起こる症状を指します。原因としては、妊娠や出産、更年期障害に伴うホルモンバランスの変化、便秘や肥満などが挙げられます。これらの原因により、膀胱や尿道を支え、尿漏れを防ぐ役割をもつ骨盤底筋が弱くなり、尿漏れにつながります。治療としては、骨盤底筋体操があげられます。よって、適切です。
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