看護師 過去問
第114回
問45 (午前 問45)

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問題

看護師試験 第114回 問45(午前 問45) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(78歳、女性)は認知症(dementia)があり、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅰである。1人で暮らしており、かかりつけの医師から処方された複数の内服薬を1日3回服用している。嚥下障害はない。Aさんは「薬がたくさんあって、余る薬もあるのよ」と訪問看護師に話した。
このときの服薬管理で適切なのはどれか。
  • 内服薬を一包化する。
  • 薬剤の形状を変更する。
  • 訪問看護師の訪問時に内服する。
  • 複数の内服薬を1つの箱にまとめて保管する。

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この過去問の解説 (2件)

01

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅰは、「何らかの認知症を有するが日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している」状態をいいます。一人暮らしが可能で、在宅が基本となります。身体介護や生活の支援よりも症状の改善や認知症の進行を防ぐような関わりが重視されています。

選択肢1. 内服薬を一包化する。

⚪︎

高齢者は複数の病気を抱えている方も多く内服薬も複数あることが多いです。そのため内服管理は簡単で分かりやすいものがよく、一包化はよく使用されています。

選択肢2. 薬剤の形状を変更する。

×

薬剤の形状は変更することができません。

選択肢3. 訪問看護師の訪問時に内服する。

×

訪問看護は、利用回数・時間等が定められています。 基本的に利用回数は、週3回まで、利用時間は、1日1回30分~90分以内です。よって毎日利用できないことや1日3回訪問はできないため不適切です。

選択肢4. 複数の内服薬を1つの箱にまとめて保管する。

×

1つの箱で薬を管理することは良いですが、問題文の利用者さんは複数の内服薬を袋から一つひとつ出すことに困難を感じているため一包化が適切であると考えます。

まとめ

一包化も内服管理するうえで適切ですが、薬自体の飲み忘れ重複して飲んでしまったなどの問題が起こるケースもあります。訪問看護師は内服管理ができているか都度確認していくことが大切です。

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02

認知症高齢者の日常生活自立度Ⅰに該当するのは「何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している」と判定された人です。

1人暮らしができていることからも、ある程度の生活能力は維持できていると考えて良いでしょう。

「薬がたくさんあって、余る薬もあるのよ」との言葉から、複数の薬を1日3回服用していることがAさんの自己管理を難しくしている原因と考えてアプローチします。

選択肢1. 内服薬を一包化する。

Aさんは「薬がたくさんあって、余る薬もある」と言っていることから、複数の薬をひとつの薬包にまとめることで、錠剤の数を間違えることなく内服ができると考えられます。

 

選択肢2. 薬剤の形状を変更する。

×薬の種類を色や形で覚えている高齢者もいます。

形状を変更すると「今まで飲んでいた薬と違う」と混乱し、かえって管理が難しくなる場合もあります。

Aさんの場合には適切ではないと判断できます。

選択肢3. 訪問看護師の訪問時に内服する。

×訪問看護師が介入出来る時間、回数は限られており、毎日3回決まった時間に訪問することはできません。

よってAさんの場合では完全に飲み間違いをなくすことはできません。

しかし訪問看護師が介入したときに、前回介入時から今までの服薬状況を確認することで、何が問題でどんな対策をとるべきか、より具体的な方法を検討することは可能です。

選択肢4. 複数の内服薬を1つの箱にまとめて保管する。

×薬の置き場を決めておくことで、薬の存在を思い出し、飲み忘れを減らすことはできるかもしれませんが、複数の薬が管理できないという問題点の解決にはなっていません。

Aさんの対応としては不適切と言えるでしょう。

まとめ

毎日決められた薬を飲むということは、認知症高齢者には難しいことが多いです。

薬を飲んだことを忘れたり、飲んだことを覚えていても、それが今日のことなのか昨日のことなのかわからないことがあります。

今日が何日かわからない場合もありますね。

服薬管理の方法をできるだけシンプルにすることで、間違うリスクを減らすことができます。

認知症高齢者の症状によって対策の方法は千差万別です。その人の症状をよく観察して、問題点となっている部分を見極め、介入することが重要です。

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