看護師 過去問
第114回
問49 (午前 問49)

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問題

看護師試験 第114回 問49(午前 問49) (訂正依頼・報告はこちら)

終末期癌患者にみられる悪液質の徴候はどれか。
  • 体重減少
  • がん性痛
  • リンパ浮腫
  • 末神経障害

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この過去問の解説 (2件)

01

悪液質とは、悪性腫瘍や慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患などのさまざまな基礎疾患に関連して生じる複合的代謝異常の症候群であり、 筋肉量の減少を主体とする病態のことをいいます。体重減少、食欲不振、倦怠感などにより活動量も低下します。

選択肢1. 体重減少

⚪︎

冒頭を参照して下さい。

選択肢2. がん性痛

×

がん性疼痛は、腫瘍が周囲の神経や臓器、骨などを巻き込んで増殖した場合や、腫瘍により炎症が起こった場合などに生じます。

選択肢3. リンパ浮腫

×

癌の終末期におけるリンパ浮腫は、癌の進行によるリンパ管の圧迫や全身状態の悪化が原因で、むくみが下肢や腹部など広範囲に広がり、痛みやしびれを伴います。

選択肢4. 末神経障害

×

癌終末期の末梢神経障害とは、癌の進行そのもの化学療法などによって末梢神経が障害され、しびれ、痛み、感覚鈍麻、筋力低下などの症状が現れる状態です。

まとめ

癌の終末期には、強い倦怠感、食欲不振、呼吸困難、痛みなどの身体的苦痛に加え、不安やせん妄、不眠といった精神的な症状も現れます。看護師は、これらの身体・精神的な苦痛症状が緩和できるように支援していくことが大切です。

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02

悪液質は「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、進行性の機能障害に至る、骨格筋量の持続的な減少(脂肪量の減少の有無を問わない)を特徴とする多因子性の症候群」と定義されています。

体重減少と食欲不振を伴う複合的な代謝異常です。

 

選択肢1. 体重減少

がん細胞が作り出すサイトカインによって、筋肉量が減ったり、何もしなくてもエネルギーが消費されて、体重が減少します。

選択肢2. がん性痛

がん性疼痛も悪液質も、終末期の癌患者にみられる症状ですが、がん性疼痛が悪液質の徴候というわけではありません

がん性疼痛は「がんそのものが原因」「がん治療に伴う痛み」「がんに関連して生じるもの」があります。

 

選択肢3. リンパ浮腫

リンパ浮腫は悪液質の徴候ではありません

がん細胞がリンパ管内に広がったり、リンパ節に転移したりして、リンパ管を圧迫することで起こります。

それ以外にも、下記の時にもリンパ浮腫が起こりやすくなります。

・がんの切除術でリンパ節郭清をしたあと

・放射線治療で照射した部分の組織が変化してリンパ管を圧迫した

・リンパ節郭清後の薬物療法

選択肢4. 末神経障害

末梢神経障害は悪液質の徴候ではありません

主に薬物療法(抗がん剤治療)の副作用で起こります。

まとめ

悪液質は単なる低栄養ではなく、複合的な代謝異常であることを理解しておきましょう。

栄養剤投与でも改善困難な状態で、体重減少、食欲不振、倦怠感、筋肉減少などが生じ、QOLを低下させます。

また、悪性腫瘍だけでなく、心不全慢性閉塞性肺疾患腎障害など、多くの基礎疾患に合併して見られる病態であることも知っておきましょう。

 

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