看護師 過去問
第114回
問68 (午前 問68)
問題文
子宮復古不全(subinvolution of the uterus)の要因はどれか。
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問題
看護師試験 第114回 問68(午前 問68) (訂正依頼・報告はこちら)
子宮復古不全(subinvolution of the uterus)の要因はどれか。
- 胎児発育不全<FGR>(fetal growth restriction)
- 卵膜の子宮内遺残
- 分娩直後の授乳
- 膀胱炎(cystitis)
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この過去問の解説 (3件)
01
通常、産褥期には、子宮は元の大きさに戻るために収縮し始め、産後約6週間で妊娠前の大きさに戻るとされています。
しかし、何らかの原因で子宮の収縮状態が悪くなり、大きさや硬さが元に戻らないことがあり、これを子宮復古不全といいます。
「産後の出血が止まりにくい」「悪露が長引く」「子宮底の位置が高い」「子宮が大きく柔らかい」などの症状があります。
原因には、
・胎盤や卵膜の一部が子宮内に残存している
・多胎分娩や羊水過多により、子宮が過剰に大きくなってしまった
・分娩に時間がかかりすぎて子宮の働きが悪くなった
・子宮筋腫や感染症などの病気がある
・産後、授乳を行っておらず、オキシトシンの分泌が不十分
などがあげられます。
✕胎児発育不全と子宮復古不全は直接的な関係はありません。
胎児発育不全は赤ちゃんが子宮内で小さく育つことを言い、子宮への負担は少ないため、子宮収縮は正常に行われやすいとされています。
○卵膜の子宮内遺残は、子宮復古不全の要因です。
出産後に卵膜が残ることで子宮が収縮の収縮を妨げ、出血が続いたり、子宮内感染のリスクを高めたりします。
✕授乳をすると、オキシトシンというホルモンが分泌され、子宮の収縮を助けます。
授乳は子宮復古不全の予防につながるため、産後できるだけ早い時期からの授乳を開始することが望ましいとされます。
✕膀胱炎が子宮復古不全の直接の原因となることはありません。
出産によって膀胱の神経が麻痺し、尿が残りやすくなることで起こる膀胱充満は、子宮復古不全の要因になります。
子宮復古の観察のポイントや項目、促進ケアについて学習しておきましょう。
よく出題される問題の対策として、母性看護学の領域では、妊娠・分娩・産褥期における母体の生理的変化や看護について、また早期新生児期の看護について知っておくことが大切です。
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02
子宮復古不全は、分娩後に子宮が正常に縮小・回復しない状態です。通常、分娩後6週間以内に子宮は妊娠前の大きさに戻りますが、それが遅れると「子宮復古不全」と診断されます。
×
胎児発育不全とは関係ありません。
⚪︎
原因はさまざまですが、「卵膜の子宮内遺残」や「多胎分娩や羊水過多・巨大児分娩などによる、子宮拡大」、「長時間分娩による子宮疲弊」、「子宮筋腫や感染症」、「授乳不良」などが挙げられます。
×
授乳と子宮復古は密接に関連しており、赤ちゃんが乳を吸うと分泌されるオキシトシンというホルモンが子宮を収縮させることで、分娩によって大きくなった子宮を元の状態に戻すのを助けます。
×
膀胱炎自体は直接子宮復古不全の原因にはなりませんが、膀胱膨満によって間接的に子宮収縮が妨げられることはあります。ただし主要因ではありません。
日数に応じた子宮復古の経過を観察し、褥婦の健康状態や回復状況に応じた環境整備を行い疲労回復と精神的ケアに努めます。また、褥婦が子宮復古不全の徴候を把握することで、悪露の状態や自覚症状を医療従事者に報告でき必要な医療につなげることができるため情報提供も必要です。
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03
子宮復古不全とは、出産後に子宮が正常な大きさや形に戻らない状態のことを指します。
とくに分娩直後の子宮復古不全は、弛緩出血をきたし、危機的出血へとつながるため、危険です。
出産後は、スムーズな子宮復古を促進するようケアを行っていきます。
子宮復古不全の原因は、
①多胎や巨大児出産後などの、子宮筋の過伸展
②前期破水や子宮内膜症などの感染症
③胎盤や卵膜などの子宮内遺残
④誘発分娩や吸引分娩、鉗子分娩などによる子宮筋の損傷や疲労
などが、リスクとなって発生します。
胎児発育不全とは、何らかの理由で胎児の発育が障害され、
週数相当の発育がされない状態です。
胎児が小さいことが多く、
子宮復古不全のリスクとはならないため、
こちらは該当しません。
卵膜や胎盤が子宮内に残ると、
子宮が元の大きさに戻る妨げになります。
よって、こちらが正解です。
分娩直後の授乳は、
オキシトシンの分泌を促し、
子宮の収縮を促進します。
よって、子宮復古不全の要因ではないため、
こちらは該当しません。
膀胱充満は、子宮底を上昇させ子宮復古不全のリスクになりますが、
膀胱炎は子宮復古不全のリスクにはなりません。
よって、こちらは該当しません。
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