看護師 過去問
第114回
問72 (午前 問72)
問題文
社会生活技能訓練<SST>について正しいのはどれか。
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問題
看護師試験 第114回 問72(午前 問72) (訂正依頼・報告はこちら)
社会生活技能訓練<SST>について正しいのはどれか。
- 認知行動療法の1つである。
- 生活リズムの改善が目的である。
- レクリエーション活動を中心に行う。
- アウトリーチによる支援が原則である。
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この過去問の解説 (3件)
01
社会生活技能訓練(social skills training ソーシャル・スキル・トレーニング)とは、精神科リハビリテーションの1つです。
認知行動療法に基づいており、対人関係の困難を減らしたり、自信を回復させ、より自立した生活を送ることを目指しており、コミュニケーションスキル、日常生活スキル、問題解決スキルなどを訓練します。
○認知行動療法の1つです。
認知行動療法とは、物事の考え方(認知)や行動を修正することで、つらい気持ちやストレスを和らげる心理療法のことです。
ストレス時に感じる「自身の考え方」「感情」「行動」の悪循環に気づき、考え方を柔軟にしたり、行動を調整することで、心の状態を改善し、最終的には自分自身で心の問題を解決できることを目指します。
✕対人関係の困難さやストレス対処法、薬の管理や身だしなみなど、日常生活、社会生活を送る上で必要なスキルの習得を目指すものであり、生活リズムの改善が目的ではありません。
✕ロールプレイングやフィードバック、心理教育などを行います。時には宿題として訓練の内容を日常生活で実践することで、行動の定着を試みることもあります。
精神科で行われるレクリエーションは、精神科リハビリテーションの一環として行われるものですが、SSTとは異なります。
✕アウトリーチとは訪問し、支援を行うことです。
最近では自ら受診することが難しい患者に対して、専門チームによるアウトリーチ型のSSTが実施されていることもあります。
今後アウトリーチ型の需要はもっと高まってくると考えられます。
しかい、主に行われるのは精神科医療機関、社会復帰施設、作業所等であり、アウトリーチが原則ということはありません。
SSTは社会で生きていくために必要なスキルを身に着けるための訓練であることを理解しておきましょう。
そのうえで、対象者や目的、具体的な訓練方法についても知っておくとよいと思います。
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02
社会生活技能訓練(ソーシャル・スキル・トレーニング)とは、
人との上手な接し方や、自分の気持ちの伝え方などのコミュニケーションスキルや、
薬を自分で管理する、身だしなみを整えるといった生活スキルなど
社会的なスキルを習得するためのトレーニングです。
ロールプレイやグループワークを中心に進められ、
統合失調症などの精神障害、発達障害のリハビリテーションとして行われます。
具体的には、あいさつの仕方、上手な断り方、助けを求める練習、
怒りや不安などの感情コントロールなどを想定して、
繰り返し練習を行い、受けたフィードバックを反映しながら、
適応力の向上を目指します。
認知行動療法とは、
考え方(認知)と行動を見直すことで、
感情や生活の改善を見直すことです。
SSTも、認知と行動を見直し、
繰り返しロールプレイを行い、改善していく方法です。
よって、こちらが正解です。
SSTは、社会性やコミュニケーション技術の獲得を目的として行われており、
生活リズムの改善は直接的な目的ではありません。
よって、こちらは該当しません。
SSTは、ロールプレイやワークシートを通して繰り返し練習し、
受けたフィードバックを反映しながら適応力を向上させる方法です。
レクリエーション活動はSSTの中心ではないため、
こちらは該当しません。
アウトリーチによる支援とは、
支援を必要としている人の所へ、支援者が直接出向いて支援を行うことです。
例えば、病院へ通い辛い人へ看護師が訪問する「精神科訪問看護」などです。
SSTは、訪問による支援ではなく、
利用者の方から施設や機関に来てもらって支援を行う方法ですので、
こちらは該当しません。
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03
社会生活技能訓練<SST>は、社会生活で生じる困難に対処するためのスキルを習得するトレーニングです。精神科リハビリテーション技法として始まり、現在では精神障害や発達障害のある人だけでなく、さまざまな人が対象となります。ロールプレイなどを通して対人関係のスキルや生活スキルを習得し、自分らしく主体的な人生を送ることを目指します。
⚪︎
望ましい社会的行動を身につけるために、ロールプレイやモデリング、フィードバックを繰り返す技法です。認知行動療法の一つです。
×
SSTの目的は、対人関係・社会的スキルの獲得であり、生活リズム改善は直接の目的ではありません。
×
レクリエーションはQOL向上には役立ちますが、SSTの中心ではありません。
×
アウトリーチは訪問支援などで行う地域支援の方法ですが、SSTは集団や個別で訓練場面を設定して行うものであり、原則ではありません。
精神病院に入院していると少なからず、社会と隔絶してしまいます。そのままの状態で退院して社会復帰しても、入院時とのギャップが生じる可能性があります。SSTの訓練を経ることで、本人の自信を深め、社会復帰後も精神的に安定できる可能性が高まります。
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