看護師 過去問
第114回
問77 (午前 問77)
問題文
避難所生活において、身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいのはどれか。
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問題
看護師試験 第114回 問77(午前 問77) (訂正依頼・報告はこちら)
避難所生活において、身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいのはどれか。
- 感染
- 脱水
- せん妄
- 生活不活発病(disuse syndrome)
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この過去問の解説 (3件)
01
慣れない環境で不自由な生活を強いられることは、誰にとっても大変ですが、高齢者や障害を持つ人にとってはさらに過酷な状況となります。
避難所生活で高齢者が抱えやすい問題として、下記の課題があります。
・健康状態の悪化
・心身の疲労
・感染症のリスク
・持病の薬やかかりつけ医へのアクセス困難
・避難所の環境に適応できない
・災害などを契機として生じる廃用症候群
✕避難所では災害による断水や、密集した空間に多くの人が集まること、保清行動の減少などから、衛生状態を保つことが難しく、感染症が蔓延しやすい環境にあります。
しかし、この設問では「身体活動の低下している高齢者」について問われていますので、感染は該当しません。
✕避難所では断水による水不足、室温管理が十分にできないこと、十分な食事や水分補給ができないことから、脱水を起こすリスクも非常に高い状態です。
しかし、この設問では「身体活動の低下している高齢者」について問われていますので、脱水は該当しません。
✕災害による心身の疲労に加え、避難所生活では十分な睡眠の確保が難しく、ストレスや環境の変化、社会的交流の減少などから、高齢者はせん妄を起こしやすくなります。
せん妄は精神的な症状であり、この設問では該当しません。
○避難所生活では動き回ることが不自由になりがちで、災害ボランティアの好意であまり動かなかったり、心身の疲労がたまったりすることから、生活が不活発な状態が続くと「生活不活発病」を起こしやすくなります。
生活不活発病(disuse使わないことによる syndrome症候群)とは、基本的に廃用症候群と同じ状態を指します。
この設問に出てくる選択肢は、いずれも避難所生活において高齢者に起こりやすい状態です。
設問をよく読んで、求められている解答がどれなのか間違わないように選択しましょう。
我が国は地震大国ともいわれ、世界でも非常に高い割合で大規模地震が起こることから、災害発生時の危機管理や健康維持についての問題が、国家試験では頻出する傾向にあるようです。
それぞれの選択肢にある解説を読んで、避難所生活で起こる様々な問題点について理解を深めましょう。
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02
避難所生活では、限られた狭いスペースでの生活が余儀なくされ、
高齢者では特に、
同じ姿勢でじっとした状態で過ごす時間が増えます。
その結果、
筋力・体力・意欲が低下し、
生活不活発病(廃用症候群)が発生する可能性が、
最も高くなります。
保清が行えないことや、免疫機能の低下、
多人数で同じ空間での生活などから、
いずれ何らかの感染が起こる可能性は高まります。
しかし、「身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすい」
に該当する選択肢ではないため、
こちらは該当しません。
避難所での生活では、
トイレの問題や、飲み水の確保の問題などが重なり、
脱水傾向になってしまう高齢者は多くなります。
しかし、「身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすい」
に該当する選択肢ではないため、
こちらは該当しません。
避難所の生活では、
急な環境の変化や、不眠などの理由から、
せん妄状態になる高齢者も発生します。
しかし、「身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすい」
ということではないため、
こちらは該当しません。
避難所生活において、
身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいのは、
こちらの生活不活発病になります。
限られた狭いスペースでの生活を余儀なくされ、
一カ所にじっとしたまま過ごす高齢者が多くなり、
いわゆる廃用症候群を起こします。
筋力の低下、骨量の低下により寝たきりや転倒、骨折が増え、
消化機能低下から便秘や食欲不振、皮膚には褥瘡、認知機能は低下する
など、様々な合併症を招きます。
避難所では、ハイリスク患者の把握や異常の早期発見、軽い運動や体操などで体を動かすことなどを、
積極的に行い、二次的な健康被害を防ぐ必要があります。
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03
避難所生活を余儀なくされる高齢者は、慣れない環境で自立度が低下したり、体調を崩したり、持病を悪化させる恐れがあります。
×
避難所では感染症リスクは高いですが、これは「活動性の低下」というより「集団生活」「衛生環境の悪化」と関連します。
×
高齢者は喉の渇きを感じにくく脱水になりやすいですが、これも「活動低下」と直接結びつくわけではありません。
×
高齢者は環境変化や身体疾患でせん妄を起こしやすいですが、「身体活動の低下」そのものの結果ではありません。
⚪︎
生活不活発病(廃用症候群)とは、身体活動の低下が続くことで、心や体の機能が低下する病気です。特に高齢者や持病のある方がかかりやすく、一度発症すると機能低下が悪循環に陥り、転倒や低栄養、認知機能の低下などを引き起こす可能性があります。
生活不活発病の予防・改善には、「生活を活発化する」ことです。充実した生活を送ることで,自然と心身機能を使うことが基本であり,特別の訓練や運動が必要ではありません。最も効果的な対応は、「参加」を充実させることで「活動」を行う機会が増え、その結果として「心身機能」を使うことを増やすことです。
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