看護師 過去問
第114回
問79 (午前 問79)

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問題

看護師試験 第114回 問79(午前 問79) (訂正依頼・報告はこちら)

過剰に摂取すると試験紙法による尿潜血検査が偽陰性となるのはどれか。
  • 葉酸
  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • パントテン酸
  • アスコルビン酸

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この過去問の解説 (3件)

01

尿検査の試験紙法とは、

尿中の成分を化学反応によって、

簡単で迅速に調べる方法です。

短冊状のプラスチック片に、試薬を含ませて乾燥させた濾紙を貼り付けており、

そこに尿を浸して、成分によって起こる発色反応を調べます。

この検査では、

尿中のPH、蛋白、糖、ウロビリノーゲン、ケトン体、

潜血、亜硝酸塩、白血球を調べることができます。

この試験紙法では、測定の原理上、

様々な偽陽性や偽陰性になることがあります。

選択肢1. 葉酸

葉酸とは、ビタミンB群の一種で、

核酸の合成や赤血球の成長を助けたり、

胎児の発育をサポートする働きがあります。

 

葉酸の過剰摂取が

尿潜血検査に影響を及ぼすことはありません。

 

よって、こちらは該当しません。

選択肢2. ビタミンA

ビタミンAとは、脂溶性ビタミンの一種で、

目、皮膚、粘膜、免疫機能の健康維持する働きがあります。

 

ビタミンAの過剰摂取は、

頭痛、吐き気、倦怠感、肝障害などを引き起こすことがありますが、

尿潜血検査に影響を及ぼすことはありません。

 

よって、こちらは該当しません。

選択肢3. ビタミンB1

ビタミンB1とは、水溶性ビタミンの一種で、

糖質をエネルギーに変える働きがあります。

水溶性なので、摂りすぎても尿から排出されます。

体内に貯蔵できないため、毎日摂る必要があります。

 

ビタミンB1の過剰摂取が、

尿潜血検査に影響を及ぼすことはありません。

 

よって、こちらは該当しません。

 

 

選択肢4. パントテン酸

パントテン酸とは、ビタミンB群の一つで、

エネルギー代謝や副腎皮質ホルモンの合成、

神経伝達物質の合成、皮膚や髪の健康維持の働きがあります。

 

パントテン酸の過剰摂取が、

尿潜血検査に影響を及ぼすことはありません。

 

よって、こちらは該当しません。

 

選択肢5. アスコルビン酸

アスコルビン酸(ビタミンC)には、強い還元作用があるため、

過剰摂取により試験紙の反応を阻害してしまい、

ブドウ糖、潜血、ビリルビンの結果を、

偽陰性にしてしまう可能性があります。

 

よって、こちらが正解です。

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02

尿試験紙法は、検尿コップに採取した尿に試験紙を浸すだけで検査ができる、非侵襲性かつ簡便な検査方法です。

多くの検査項目を調べることができますが、簡易検査である分、正確性に欠けることがデメリットとして挙げられます。

試験紙の色調の変化で結果を見るため、試験紙の吸湿や着色尿、薬剤尿などの尿性状、患者の体調に影響を受けやすく、偽陽性・偽陰性などの結果が出やすいこともあります。

選択肢1. 葉酸

葉酸はビタミンBの一種です。

過剰摂取が尿検査に影響することはほとんどありません。

選択肢2. ビタミンA

ビタミンAの過剰摂取が直接影響を与えることはありません。

選択肢3. ビタミンB1

ビタミンB1の過剰摂取が直接影響を与えることはありません。

選択肢4. パントテン酸

パントテン酸はビタミンB群の1つで、過剰摂取が直接影響を与えることはありません。

選択肢5. アスコルビン酸

アスコルビン酸はビタミンCの1つで、過剰摂取すると、試験紙の酸化・還元反応を阻害し、ブドウ糖、潜血、ビリルビン、亜硝酸塩の結果を偽陰性にする可能性があります。

まとめ

サプリメントや総合栄養剤、市販の風邪薬、清涼飲料水など様々なものにビタミンCが多く含まれていることを理解し、尿検査を行う前には影響のあるものを摂取していないか確認することが必要です。

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03

試験紙法による尿潜血検査は、尿中のヘモグロビンやミオグロビンの酸化作用を利用して反応します。このとき、強い還元作用を持つ物質が存在すると酸化が妨げられ、偽陰性となることがあります。「偽陰性」の原因には、尿中のビタミンC(アスコルビン酸)大量摂取による反応抑制や、尿が薄すぎる、検体を放置して赤血球が壊れたなどが挙げられます。

選択肢1. 葉酸

×

尿潜血検査の偽陰性とは関係ありません。DNA・RNAの合成、赤血球の成熟、細胞分裂に関与します。妊娠初期の葉酸の欠乏は神経管閉鎖障害のリスクがあります。

選択肢2. ビタミンA

×

尿潜血検査の偽陰性とは関係ありません。ビタミンAは、過剰摂取で頭痛・肝障害・皮膚症状が起こります。

選択肢3. ビタミンB1

×

尿潜血検査の偽陰性とは関係ありません。ビタミンB1は代謝の補酵素(ピルビン酸→アセチルCoA)、神経機能を維持します。欠乏で脚気や神経障害が生じます。

選択肢4. パントテン酸

×

尿潜血検査の偽陰性とは関係ありません。コエンザイムAの構成成分、脂質・糖質・アミノ酸代謝に関与します。欠乏はまれに、疲労感や神経症状が起こります。

選択肢5. アスコルビン酸

⚪︎

冒頭を参照して下さい。

まとめ

検査で正常な値を把握するために、検査の2日前からはサプリメントの摂取を控えた方が良いとされています。実際の体の状態を正しく評価できず、病気の早期発見を逃すリスクがあるため患者さんに説明しておくことが大切です。

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