看護師 過去問
第114回
問80 (午前 問80)
問題文
Ⅱ型アレルギーで起こる疾患はどれか。
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問題
看護師試験 第114回 問80(午前 問80) (訂正依頼・報告はこちら)
Ⅱ型アレルギーで起こる疾患はどれか。
- 糸球体腎炎(glomerulonephritis)
- 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)
- アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)
- アレルギー性結膜炎(allergic conjunctivitis)
- 特発性血小板減少性紫斑病<ITP>(idiopathic thrombocytopenic purpura)
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この過去問の解説 (3件)
01
免疫とは、異物を識別して、攻撃し排除する防御システムです。
その免疫反応が生体に対して不利に働き、生体が傷害される場合を
アレルギーといいます。
アレルギーはⅠ型~Ⅳ型に分類されています。
糸球体腎炎は、
Ⅲ型アレルギーに分類されます。
Ⅲ型アレルギーは、「免疫複合体アレルギー」と呼ばれています。
抗原と抗体(IgG、IgM)が結合した「免疫複合体」が、
体内の組織に沈着した結果、補体や好中球が活性化し、
組織傷害を引き起こします。
糸球体腎炎では、免疫複合体が腎臓の糸球体に沈着することで起こります。
代表的な疾患は、
・血清病
・全身性エリテマトーデス
・アルサス反応
などです。
よって、こちらは該当しません。
関節リウマチは、Ⅲ型+Ⅳ型アレルギーの混合型です。
初期は、関節の中の成分に対して免疫複合体が作られ、
関節内の滑膜に沈着し、補体が活性化して炎症を起こします。
慢性期に入ると、関節内で細胞性免疫が関与し、
サイトカインが分泌されて慢性炎症が続きます。
つまり、関節リウマチは、
Ⅲ型アレルギーで始まり、Ⅳ型アレルギーで悪化します。
よって、こちらは該当しません。
アトピー性皮膚炎は、
Ⅰ型+Ⅳ型アレルギーの混合型アレルギーです。
急性期には、アレルゲンの侵入により、
免疫が過剰に反応→IgE抗体が作られ、肥満細胞に結合
→肥満細胞からヒスタミンが放出され、かゆみなどを引き起こします。
これはⅠ型(即時型)アレルギーです。
慢性期に入ると、炎症が続くうちにT細胞が活発化
→皮膚にリンパ球やマクロファージが集まり、
遅延型アレルギー反応が起こります。
その結果、慢性的な皮膚の炎症、皮膚が厚くなる苔癬化、乾燥などが起こってきます。
よって、こちらは該当しません。
アレルギー性結膜炎は、Ⅰ型アレルギーです。
Ⅰ型アレルギーは、すぐに反応が起こる即時型アレルギーです。
本来ならば無害なもの(花粉、食物、ダニなど)が体内に侵入し、
敵と勘違いしてB細胞がIgE抗体を作り、肥満細胞と結合
→肥満細胞からヒスタミンなどの物質を放出し、炎症が起こります。
よって、こちらは該当しません。
特発性血小板減少性紫斑病は、Ⅱ型アレルギーです。
Ⅱ型アレルギーは、抗体(IgGやIgM)が、自分の細胞や組織を攻撃してしまうアレルギー反応で、
つまり自分の細胞を、異物と誤認して壊してしまう反応です。
別名「細胞障害型アレルギー」と呼ばれています。
代表的な疾患は
・自己免疫性溶血性貧血
・バセドウ病
・グッドパスチャー症候群
などです。
よって、こちらが正解になります。
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02
免疫とは、非自己である異物を識別して攻撃、排除する防御システムのことです。
この免疫反応が生体に対して不利に働いた結果、生体の障害が起こることをアレルギーといいます。
アレルギーにはⅠ~Ⅳまでの分類があります。
この中でⅡ型のアレルギーは「細胞障害型アレルギー」とも呼ばれ、何らかの原因で自分の細胞表面が抗体として認識されてしまうアレルギーをいいます。
代表的な疾患には以下のようなものがあります。
・不適合輸血による溶血性貧血特発性血小板減少性紫斑病
・自己免疫性溶血性貧血
✕糸球体腎炎はⅢ型アレルギーです。
体内に入ってきた「抗原」に対して、「IgG抗体」や「IgM抗体」が結合して「免疫複合体」が作られます。
この免疫複合体が体内をめぐり、血管や特定の組織に沈着し、補体を活性化させたり、好中球などを呼び寄せたりして、組織や細胞が攻撃されるのがⅢ型アレルギーです。
Ⅲ型アレルギーは「免疫複合体型アレルギー」と呼ばれます。
糸球体腎炎は腎臓の糸球体に免疫複合体が沈着して起こります。
✕関節リウマチはⅢ型アレルギーです。
免疫複合体が関節内の滑膜などに沈着し、自己の細胞を攻撃することで、関節の炎症や破壊が進行します。
Ⅲ型アレルギーの発生機序は糸球体腎炎の項目を参照してください。
✕アトピー性皮膚炎はアレルゲンが体内に入るとIgE抗体が生成されるⅠ型アレルギーと、T細胞が関与するⅣ型アレルギー、メカニズムが異なる二つの要素を持ち合わせたアレルギーです。
Ⅰ型アレルギーは「即時型アレルギー」、Ⅳ型アレルギーは「遅延型アレルギー」と呼ばれます。
✕アレルギー性結膜炎は、Ⅰ型アレルギーです。
体内にアレルゲンが侵入してから数分~数時間以内に症状が現れます。
アレルゲンに反応したリンパ球からIgE抗体が作られ、肥満(マスト)細胞と結合することで、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されて症状を起こすアレルギーです。
○特発性血小板減少性紫斑病はⅡ型アレルギーです。
アレルギーについては分類と、アレルギー反応の仕組み(発生機序)、代表的な疾患などを理解しておくことが必要です。
この問題は、アレルギーの分類(型)と、代表的な疾患を押さえておくことで解答することができます。
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03
Ⅱ型アレルギー(抗体依存性細胞障害型)は、自己の細胞表面の物質が抗原として認識され、それに結合した抗体が細胞を攻撃するアレルギーです。この反応により、補体や免疫細胞が活性化され、標的となった細胞や組織が破壊されることで、自己免疫疾患や血液型不適合輸血などの病気を引き起こします。
×
Ⅲ型(免疫複合体型)アレルギーが関与します。
×
主にⅢ型(免疫複合体型)アレルギー+Ⅳ型(遅延型)アレルギーが関与します。
×
Ⅰ型(即時型)アレルギー+Ⅳ型(遅延型)アレルギーが関与します。
×
Ⅰ型(即時型)アレルギーが関与します。
⚪︎
冒頭を参照して下さい。
看護師国家試験では、アレルギー反応の種類による特徴や原因、症状について問われており、状況設定問題ではアレルギーをもつ子どもの家族への対応についてなどの問題も出題されることがあるのでおさえておきましょう。
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