看護師 過去問
第114回
問83 (午前 問83)

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問題

看護師試験 第114回 問83(午前 問83) (訂正依頼・報告はこちら)

血液凝固因子はどれか。2つ選べ。
  • トロンボプラスチン
  • エリスロポエチン
  • ウロビリノゲン
  • フィブリノゲン
  • プラスミノゲン

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この過去問の解説 (3件)

01

血液凝固因子とは、血液が傷口で固まるために働く、

血液中のたんぱく質のことです。

 

血液凝固因子は、全部で12種類あります。

血管が傷つき、出血すると、

血小板が集まって一時的に止血します。(一次止血)

血液凝固因子が次々に活性化し、フィブリンを作ります。(二次止血)

フィブリンがネットのように広がり、血球をからめて血餅を作り、

止血が完了します。

 

 

 

選択肢1. トロンボプラスチン

トロンボプラスチンは、

血液凝固因子Ⅲです。

外因系の凝固を開始する因子で、

出血したときに、体(血管)の外から入ってくる因子です。

 

よって、こちらは正解です。

選択肢2. エリスロポエチン

エリスロポエチンとは、

主に腎臓で作られる、赤血球を作る造血ホルモンです。

 

体内の酸素が不足すると、腎臓がそれを感知し、

エリスロポエチンの分泌が増加します。

その結果、骨髄での赤血球の産生が増加し、

血液中の酸素が増える、という流れになります。

 

血液凝固因子ではないため、

こちらは該当しません。

選択肢3. ウロビリノゲン

ウロビリノゲンとは、胆汁色素であるビリルビンから作られる物質で、

肝臓や腸の働き、黄疸の状態を調べるときの指標となります。

 

血液凝固因子ではないため、

こちらは該当しません。

 

選択肢4. フィブリノゲン

フィブリノゲンは、

血液凝固因子の第Ⅰ因子です。

 

フィブリノゲンが活性化して、フィブリンになり

フィブリンがネット上に広がって傷口をふさぎ、

血球を絡めて血餅になります。

 

よって、こちらが正解になります。

選択肢5. プラスミノゲン

プラスミノゲンとは、

フィブリンを溶かす働きのある、

酵素前駆体のことです。

 

傷口をフィブリンが固まって止血を行った後、

余分な血栓を分解して血流を再開させる必要があります。

その時に、プラスミノゲンがプラスミンという酵素に変化し、

プラスミンがフィブリンを分解して、

血流を再開させます。

 

血液凝固因子ではないため、

こちらは該当しません。

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02

正解は、「トロンボプラスチン」と「フィブリノゲン」です。

 

出血が起こると、血小板により一時止血されますが、

完全に止血するためには、血液凝固が必要です。

血液凝固は、

凝固因子が次々と活性化されることにより完成します。

血液凝固の反応には、

内因経路と外因経路があります。

 

選択肢1. トロンボプラスチン

正しい解答です。

トロンボプラスチンは

組織が損傷すると放出される血液凝固因子で、

ここから外因経路が始まります。

 

選択肢2. エリスロポエチン

誤った解答です。

エリスロポエチンは、主に腎臓で産生される因子で、

赤血球の産生に関与します。

血液凝固因子ではありません。

選択肢3. ウロビリノゲン

誤った解答です。

ウロビリノゲンは、赤血球の代謝産物であるビリルビンが

腸内で変換されたものです。

血液凝固因子ではありません。

 

選択肢4. フィブリノゲン

正しい解答です。

フィブリノゲンは、血液凝固因子です。

トロンビンの作用を受けフィブリンとなり、

血球が絡みつくことによって、

血液凝固が完了します。

 

選択肢5. プラスミノゲン

誤った解答です。

プラスミノゲンは、血液凝固後の血栓を取り除くための、

繊維素溶解に関与します。

血液凝固因子ではありません。

まとめ

血液凝固因子は、

「トロンボプラスチン」と「フィブリノゲン」です。

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03

血液凝固因子とは、出血時に血小板と協力して血液を固め、止血に重要な役割を果たすタンパク質群です。

選択肢1. トロンボプラスチン

⚪︎

血液凝固因子です。血液検査では、「活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)」と呼ばれ、血友病などの内因系の凝固異常を調べるために用いられ、基準値より延長する場合は出血傾向を示します。

選択肢2. エリスロポエチン

×

エリスロポエチン(EPO)とは、主に腎臓から分泌され、赤血球の産生を促進するホルモンです。

選択肢3. ウロビリノゲン

×

ウロビリノゲンは肝臓で作られたビルビンという色素が腸内細菌によって分解されてできる物質で、正常な尿からもわずかに検出されますが、肝臓や胆のうの疾患の際に増加します。

選択肢4. フィブリノゲン

⚪︎

血漿中のフィブリノゲンにトロンビンが作用してできる不溶性の線維状のタンパク質があり、血液の凝固(血液凝固)に関わります。

選択肢5. プラスミノゲン

×

肝臓で作られ、血液中を循環するタンパク質で、血栓の溶解を担う「プラスミン」の前駆体です。体内に傷ができた際にフィブリン(血栓の主成分)を溶かす「線溶」という仕組みにおいて重要な役割を果たします。

まとめ

血液凝固は血管が傷ついた際に止血を行うための重要なメカニズムで、血小板が傷口に集まって一次止血を行い、次に血液凝固因子が連鎖的に働く「血液凝固カスケード」によってフィブリンという繊維状のタンパク質が形成され、強固なフィブリン血栓を作って傷をふさぐ二次止血へと進みます。

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