看護師 過去問
第114回
問91 (午前 問91)

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問題

看護師試験 第114回 問91(午前 問91) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(73歳、女性)は1人で暮らしており、脳梗塞(cerebral infarction)で入院した。Aさんは左半身に麻痺があり、認知機能障害はない。4点杖を使用して歩行が可能となり、住宅改修をして自宅に退院した。退院後は、降圧薬と抗血栓薬が処方され、服薬管理と健康管理の目的で訪問看護を週1回、調理と買い物代行の目的で訪問介護を週1回利用している。Aさんは「昨日、退院して初めて1人で買い物に行ったら転びそうになって、横にいた人に支えてもらったんです」と訪問看護師に話した。
このとき、訪問看護師が転倒予防のために収集する情報として最も適切なのはどれか。
  • 服薬の状況
  • 食事の摂取量
  • 右上下肢の筋力
  • 他者との交流の頻度

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「右上下肢の筋力」です。

 

Aさんは、脳梗塞で入院し、左半身に麻痺があり、

4点杖を使用した歩行状態です。

退院後初めての外出で、転倒しそうになったという情報から、

入院による筋力低下を視野に入れた、

アセスメントが必要です。

 

選択肢1. 服薬の状況

誤った解答です。

降圧薬の服用は、ふらつきなどの副作用により、

転倒のリスクが高まります。

Aさんは降圧薬を継続して服用中であり、

服薬の状況を確認することは必要ですが、

ふらつきなどの症状は記載がなく、

このケースでは、優先順位がやや下がります。

 

選択肢2. 食事の摂取量

誤った解答です。

このケースでは、食事の摂取量が、

転倒リスクにつながっているとは考えにくく、

優先順位は低いです。

選択肢3. 右上下肢の筋力

正しい解答です。

Aさんの、「転びそうになった」という情報は、

右上下肢(健側)の筋力低下が疑われるため、

優先順位が高いです。

選択肢4. 他者との交流の頻度

誤った解答です。

在宅生活継続のために、

退院後の他者との交流の頻度を把握する必要がありますが、

このケースでは、優先順位は低くなります。

まとめ

訪問看護師が転倒予防のために収集する情報として最も適切なのは、

「右上下肢の筋力」です。

選択肢は、Aさんが退院後の在宅生活を継続するために、

把握するべき情報ばかりですが、

設問のとおり、転倒リスクを念頭に置く場合には、

健側の筋力の状態を情報収集する視点が重要です。

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02

脳梗塞による麻痺は、脳の特定部位が損傷されることで、その部位が司る運動や感覚を制御できなくなる後遺症です。代表的な症状は「片麻痺」で、脳の損傷部位の反対側の身体(顔、手足)が動きにくくなったり、感覚が鈍くなります。麻痺の種類は運動麻痺と感覚麻痺、嚥下障害などがあり、回復にはリハビリテーションが重要です。

選択肢1. 服薬の状況

×

服薬は健康管理には関係しますが、この状況では転倒しそうなった直接的な原因ではない可能性が高いです。

選択肢2. 食事の摂取量

×

栄養状態は重要ですが、転倒リスクとの直接的な関係は薄いです。

選択肢3. 右上下肢の筋力

⚪︎

Aさんは左半身麻痺があるので、健側の右上下肢筋力は転倒に直結すると要因となります。

選択肢4. 他者との交流の頻度

×

社会的孤立や活動性の低下は生活の質には関係しますが、直接的な転倒リスクの原因とは関係ありません。

まとめ

退院後の生活を安全に送るために、麻痺側の筋力や歩行能力、生活環境を総合的に評価し、必要な支援を組み合わせます。看護師は必要に応じて訪問リハビリなど多職種との連携を調整し、転倒予防や日常生活の自立度向上を目指します。

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