看護師 過去問
第114回
問94 (午前 問94)
問題文
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(56歳、女性、主婦)は、食後に冷汗を伴う腹痛があり外来を受診した。腹部超音波検査の結果、胆石症(cholelithiasis)と診断され、腹腔鏡下胆囊摘出術の目的で入院した。
看護師は手術オリエンテーションで、術後の入院期間は2日と説明した。Aさんは、同じ手術を受けた妹が合併症で3週間以上食事もできなかったので、自分も同じ合併症を発症するかもしれないと心配そうに話した。
Aさんの妹が発症した合併症はどれか。
Aさん(56歳、女性、主婦)は、食後に冷汗を伴う腹痛があり外来を受診した。腹部超音波検査の結果、胆石症(cholelithiasis)と診断され、腹腔鏡下胆囊摘出術の目的で入院した。
看護師は手術オリエンテーションで、術後の入院期間は2日と説明した。Aさんは、同じ手術を受けた妹が合併症で3週間以上食事もできなかったので、自分も同じ合併症を発症するかもしれないと心配そうに話した。
Aさんの妹が発症した合併症はどれか。
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問題
看護師試験 第114回 問94(午前 問94) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(56歳、女性、主婦)は、食後に冷汗を伴う腹痛があり外来を受診した。腹部超音波検査の結果、胆石症(cholelithiasis)と診断され、腹腔鏡下胆囊摘出術の目的で入院した。
看護師は手術オリエンテーションで、術後の入院期間は2日と説明した。Aさんは、同じ手術を受けた妹が合併症で3週間以上食事もできなかったので、自分も同じ合併症を発症するかもしれないと心配そうに話した。
Aさんの妹が発症した合併症はどれか。
Aさん(56歳、女性、主婦)は、食後に冷汗を伴う腹痛があり外来を受診した。腹部超音波検査の結果、胆石症(cholelithiasis)と診断され、腹腔鏡下胆囊摘出術の目的で入院した。
看護師は手術オリエンテーションで、術後の入院期間は2日と説明した。Aさんは、同じ手術を受けた妹が合併症で3週間以上食事もできなかったので、自分も同じ合併症を発症するかもしれないと心配そうに話した。
Aさんの妹が発症した合併症はどれか。
- 肺炎(pneumonia)
- 胆汁瘻
- 皮下気腫
- 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)
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この過去問の解説 (2件)
01
胆石症で腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けたAさんの状況設定問題です。
「Aさんの妹が発症した合併症」という回りくどい言い方をしていますが、この問題では単に腹腔鏡下胆嚢摘出術の合併症について問われていることに気づくことが解答への近道です。
✕
術中の気管内挿管による誤嚥、術後の呼吸機能低下などが原因で肺炎を起こすことがあります。
肺炎を起こした場合は、原因菌を特定し、適切な抗菌薬の投与、酸素吸入、呼吸管理などを行います。
重症な場合は一時絶食となることもありますが、3週間以上の長期間になることは考えにくく、Aさんの妹が発症した合併症ではないと判断できます。
○
術後、胆嚢の切除部や胆管の吻合部などから胆汁が腹腔内に漏れ出すことを胆汁瘻といいます。
少量であれば術後に留置されるドレーンで排出され多くは自然治癒しますが、通常は漏れ出た胆汁を体外に排出するために、新たなドレナージチューブの留置が必要となります。
漏れ出た胆汁で腹膜炎を起こしたり、腹腔内に溜まった胆汁に細菌が感染し膿瘍になったりすることがあり、消化管の機能が回復するまでの間、一定期間の絶食が必要となります。
✕
腹腔内を炭酸ガスで膨らませて手術を行う際にガスが皮下に漏れ出たり、手術の操作に伴って組織の損傷が起こり、空気が皮下に流入することを皮下気腫と言います。
腹痛や吐き気などの消化器症状を伴う場合は絶食になることもありますが、通常は絶食は不要であり、Aさんの妹が発症した合併症ではないと判断できます。
✕
深部静脈血栓症の発生要因は、手術中の炭酸ガス注入による深部静脈の圧迫や、術後の安静、疼痛による下肢の動きの制限などがあげられます。
弾性ストッキングを着用し、術後は早期離床を行うことが血栓予防となります。
深部静脈血栓を起こした場合は、下肢の痛みや腫れ、皮膚の色調が暗赤色となることがあります。
主な治療としては血栓溶解薬や抗凝固薬の使用で、絶食とは関係ないため、Aさんの妹が発症した合併症ではないと判断できます。
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、腹部に0.5cm~1cm大の穴を数か所開けて、腹腔鏡や鉗子などの器具を挿入し、胆嚢を摘出する手術です。
胆石症の標準的治療で、開腹手術と異なり、傷が小さく手術による侵襲も少ないため回復が早いメリットがあります。
合併症などがなければ、多くの場合は2泊3日から1週間程度の入院期間となります。
腹腔鏡下胆嚢摘出術の術式と合併症、手術前後の経過について知っておくことがこの問題を解くカギとなります。
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02
正解は、「胆汁瘻」です。
Aさんと同じ、腹腔鏡下胆囊摘出術を受けた、
Aさんの妹が発症した合併症で、正しいものを選択する問題です。
誤った解答です。
術後の合併症として、肺炎をおこすことがありますが、
抗菌薬などの治療で対応できることが多く、
3週間以上も食事が摂れない状況は、
考えにくいです。
正しい解答です。
胆汁瘻は、腹腔鏡下胆嚢摘出術後の代表的な合併症です。
胆汁が腹腔内に漏れると、胆汁性腹膜炎を引き起こし、
絶食やチューブによるドレナージが必要となります。
Aさんが話した、妹の状況と一致します。
誤った解答です。
腹腔鏡手術では、腹腔内を膨らませるために使用される
二酸化炭素が漏れて、皮下気腫を起こすことがありますが、
多くは自然に吸収されます。
3週間以上も食事制限が行われることはありません。
誤った解答です。
腹腔鏡手術の術後安静などが引き金となって、
深部静脈血栓症を引き起こすことがありますが、
3週間以上も食事制限が行われることはありません。
Aさんの妹が発症した合併症は 「胆汁瘻」 です。
治療のため、一定期間絶食が必要です。
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