看護師 過去問
第114回
問99 (午前 問99)

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問題

看護師試験 第114回 問99(午前 問99) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(50歳、女性、会社員)は、職場で激しい頭痛を訴えて倒れ、意識を失って、救急搬送された。救命救急センター到着時のバイタルサインは、体温36.7℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧168/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>98%(room air)であった。閉眼していたので、大声で話しかけると開眼したが、すぐに閉眼して眠り込んでしまう。
Aさんの回復は順調で、後遺症なく退院した。退院1か月後の外来で、Aさんに生活状況を聞くと、会話に対する反応は鈍く「この間、尿を漏らしてしまいました」と話した。家族は「最近物忘れが激しく、歩くのも遅くなりました」と話した。看護師がAさんに書類を渡すと、スムーズに受け取り、きれいな文字で名前を書いた。家族は「入院前と変わらない字で書けています」と言った。
Aさんに起こっている可能性が高いのはどれか。
  • 脳血管攣縮
  • 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)
  • 脳動脈瘤の破裂(cerebral aneurysm)
  • Parkinson<パーキンソン>病(Parkinson disease)

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)」です。

 

順調に回復し、後遺症なく退院し、

退院1ヶ月後に外来受診した、

Aさんに起こっている可能性が高いものを選択する問題です。

選択肢1. 脳血管攣縮

誤った解答です。

脳血管攣縮は、くも膜下出血後数日~2週間以内に起こることが多く、

片麻痺や失語、意識障害などの症状がみられます。

Aさんの症状の説明とは異なります。

選択肢2. 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)

正しい解答です。

くも膜下出血後に、髄液の吸収不全から正常圧水頭症を引き起こすことがあり、

歩行障害、認知障害、尿失禁が三大徴候です。

 

Aさんの現在の症状は、上記の三大徴候を示しています。

・家族からの情報:「歩くのが遅くなった」→歩行障害

・家族からの情報、看護師の観察:

 「最近物忘れが激しい」「会話に対する反応が鈍い」→認知障害

・本人の訴え:「この間、尿を漏らしてしまった」→尿失禁

選択肢3. 脳動脈瘤の破裂(cerebral aneurysm)

誤った解答です。

脳動脈の破裂は、突然発症し、意識障害を伴います。

現在のAさんの症状とは異なっています。

選択肢4. Parkinson<パーキンソン>病(Parkinson disease)

誤った解答です。

Parkinson<パーキンソン>病は、

中脳黒質のドパミン神経細胞が壊れ、ドパミンが減少する進行性の神経変性疾患です。

安静時振戦、筋固縮、無動、小刻み歩行などの症状がみられます。

無動の一種で、小字症(意図せず字が小さくなる)という症状がありますが、

Aさんの場合は、入院前と変わらず、きれいな字が書けています。

また、認知障害や尿失禁は、パーキンソン病でもみられますが、

後期に出現する症状です。

まとめ

Aさんの「歩行障害・認知症・尿失禁」は、正常圧水頭症の三大徴候と一致しており、

Aさんに起こっている可能性が高いものは、

正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus) です。

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