看護師 過去問
第114回
問101 (午前 問101)

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問題

看護師試験 第114回 問101(午前 問101) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(87歳、女性)は1人で暮らしている。難聴のため補聴器を使用している。自宅で転倒して痛みで起き上がれなくなり、救急搬送され入院した。搬送先の病院で右大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)と診断され、全身麻酔下で人工骨頭置換術を受けた。術後は前腕部に点滴静脈内注射と右大の創部に吸引式ドレーンが一本挿入されている。
手術直後の検査所見:赤血球410万/μL、白血球7800/μL、Hb12.0g/dL、総蛋白6.5g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素20mg/dL、Na1.5mEq/L、K3.8mEq/L。
術後のドレーン出血量は少量である。創部痛に対して非ステロイド性抗炎症薬の坐薬と内服が処方され、手術当日の21時に坐薬を使用した。
術後1日。午前中に看護師がAさんのバイタルサインを測定しているときは眠っていた。昼食後に看護師が訪室すると、Aさんは多弁で、落ち着かない様子がみられた。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

  • 医師に抗不安薬の処方を依頼する。
  • ベッド上で安静に過ごしてもらう。
  • 膀胱留置カテーテルを抜去する。
  • ベッド周囲をカーテンで囲む。
  • 補聴器の装着を確認する。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「膀胱留置カテーテルを抜去する。」と

「補聴器の装着を確認する。」です。

 

術後1日、多弁で落ち着かないAさんに対する、

看護師の対応で適切なものを2つ選択する問題です。

 

Aさんの状態からは、術後せん妄が疑われます。 

選択肢1. 医師に抗不安薬の処方を依頼する。

誤った解答です。

安易に抗不安薬などを使用することは、

Aさんの症状をさらに悪化させる恐れがあり、

転倒のリスクにもつながります。

まずは、環境を整えるなどの、

対応を考えるべきです。

選択肢2. ベッド上で安静に過ごしてもらう。

誤った解答です。

術後はせん妄予防のために、

早期に離床を図り、生活のリズムを確立することが必要です。

ベッド上で安静に過ごすことは、廃用症候群にもつながり、

不適切な対応です。

選択肢3. 膀胱留置カテーテルを抜去する。

正しい解答です。

留置カテーテルは、せん妄のリスク因子となります。

夜間の尿流出が良好であったことから、尿量は問題ないと判断でき、

早期に抜去する対応が適切です。

 

選択肢4. ベッド周囲をカーテンで囲む。

誤った解答です。

ベッド周囲をカーテンで囲むことにより、

視界が遮られ、視覚からの情報量が低下することや、

外界からの疎外感などで、

せん妄症状が悪化する可能性があります。

不適切な対応です。

選択肢5. 補聴器の装着を確認する。

正しい解答です。

Aさんは難聴があり、補聴器を使用しています。

補聴器が正しく装着されていないと、

コミュニケーション機能の障害から、

混乱を生じやすくなります。

まとめ

せん妄に対しては、

「せん妄の原因除去」「安全確保」「環境調整」「感覚機能のサポート」が大切です。
Aさんに対する看護師の対応で適切なものは、

「膀胱留置カテーテルを抜去する。」と「補聴器の装着を確認する。」です。

 

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