看護師 過去問
第114回(2025年2月)
問101 (午前 問101)

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問題

看護師試験 第114回(2025年2月) 問101(午前 問101) (訂正依頼・報告はこちら)

<問100〜問102は同一の症例設定に基づきます。各問は前問までの状況を引き継いで解答してください。>

問100はこちら

 

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(87歳、女性)は1人で暮らしている。難聴のため補聴器を使用している。自宅で転倒して痛みで起き上がれなくなり、救急搬送され入院した。搬送先の病院で右大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)と診断され、全身麻酔下で人工骨頭置換術を受けた。術後は前腕部に点滴静脈内注射と右大の創部に吸引式ドレーンが一本挿入されている。
手術直後の検査所見:赤血球410万/μL、白血球7800/μL、Hb12.0g/dL、総蛋白6.5g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素20mg/dL、Na1.5mEq/L、K3.8mEq/L。
術後のドレーン出血量は少量である。創部痛に対して非ステロイド性抗炎症薬の坐薬と内服が処方され、手術当日の21時に坐薬を使用した。
術後1日。午前中に看護師がAさんのバイタルサインを測定しているときは眠っていた。昼食後に看護師が訪室すると、Aさんは多弁で、落ち着かない様子がみられた。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

  • 医師に抗不安薬の処方を依頼する。
  • ベッド上で安静に過ごしてもらう。
  • 膀胱留置カテーテルを抜去する。
  • ベッド周囲をカーテンで囲む。
  • 補聴器の装着を確認する。

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この過去問の解説 (2件)

01

自宅で転倒し右大腿骨頸部骨折と診断されたAさんの状況設定問題の続きです。

 

先ほどと同じく術後1日目のAさんに対し、今度は看護師の適切な対応を問われています。

選択肢には「抗不安剤の処方」「ベッド上安静」「膀胱留置カテーテル抜去」「ベッド周囲をカーテンで囲む」「補聴器装着の確認」とありますね。

それを踏まえて再度シナリオを読んだときに、問100では見られなかった「昼食後のAさんの様子」が記載されていることに気づいたでしょうか?
 

多弁で落ち着かない様子としか書かれていないため一概に断じることはできませんが、状況から察するにAさんは術後せん妄を起こしている可能性があると考えます。
せん妄は一過性に注意力の低下や認知機能の障害などが急激に現れますが、適切なケアを行うことで症状は軽快します。


 

選択肢1. 医師に抗不安薬の処方を依頼する。


せん妄は一過性の症状で、適切なケアを行えば症状は軽快するので、安易な薬剤の使用は避けるべきです。
また、抗不安薬を内服することで、副作用の眠気やふらつきなどが出現し、転倒するリスクが増大します。
抗不安薬の処方は、Aさんの対応として不適切です。
 

選択肢2. ベッド上で安静に過ごしてもらう。


術後の安静期間が長いと、覚醒と睡眠のリズムが崩れたり精神的に不安定になりやすく、せん妄を助長します。
医師の許可があれば、疼痛の様子を見ながら活動を促すことがせん妄の予防にもなります。
安静に過ごすのは、Aさんの対応として不適切です。

 

選択肢3. 膀胱留置カテーテルを抜去する。


カテーテルやルート類の留置により胎動が制限されることでせん妄を引き起こします。
可能であれば膀胱留置カテーテルは抜去して、トイレでの排泄を促していきます。

選択肢4. ベッド周囲をカーテンで囲む。


Aさんは大腿骨の術後で疼痛もあるため、自由に動くことができません。
ベッド周囲をカーテンで囲むと、外の様子がわからないことで不安を増長し、せん妄が悪化する可能性があります
カーテンで囲むことは不適切な対応と言えます。Aさんが安心して過ごせる環境を整えることが大切です。

 

選択肢5. 補聴器の装着を確認する。


難聴により外界からの情報や感覚が遮断されたり、会話が理解できないことから精神的なストレスが増大しやすい状態です。
コミュニケーションが困難になると、孤立感や不安感が増し、せん妄の要因となります。
Aさんは手術の時に補聴器を外したまま装着していない可能性があるので、補聴器の装着を確認することが大切です。
 

まとめ

落ち着かない原因は人によって異なります。

 

特に術後は手術や麻酔の影響、疼痛、体液のバランス異常、点滴や膀胱留置カテーテルなどルート類の留置による体動困難、身体的ストレス、精神的ストレスなどからせん妄を引き起こしやすい状態です。

またAさんは難聴があり、周囲の環境の変化を感じ取りにくいことが不安につながっている可能性もあります。
高齢者は環境の変化に適応する力が低下しているので、せん妄を起こしやすいとも言われています。

 

まずは患者をよく観察してせん妄の原因を特定し、適切に介入しましょう。

そのためにはせん妄の定義や原因、対応について理解しておく必要があります。

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02

正解は、「膀胱留置カテーテルを抜去する。」と

「補聴器の装着を確認する。」です。

 

術後1日、多弁で落ち着かないAさんに対する、

看護師の対応で適切なものを2つ選択する問題です。

 

Aさんの状態からは、術後せん妄が疑われます。 

選択肢1. 医師に抗不安薬の処方を依頼する。

誤った解答です。

安易に抗不安薬などを使用することは、

Aさんの症状をさらに悪化させる恐れがあり、

転倒のリスクにもつながります。

まずは、環境を整えるなどの、

対応を考えるべきです。

選択肢2. ベッド上で安静に過ごしてもらう。

誤った解答です。

術後はせん妄予防のために、

早期に離床を図り、生活のリズムを確立することが必要です。

ベッド上で安静に過ごすことは、廃用症候群にもつながり、

不適切な対応です。

選択肢3. 膀胱留置カテーテルを抜去する。

正しい解答です。

留置カテーテルは、せん妄のリスク因子となります。

夜間の尿流出が良好であったことから、尿量は問題ないと判断でき、

早期に抜去する対応が適切です。

 

選択肢4. ベッド周囲をカーテンで囲む。

誤った解答です。

ベッド周囲をカーテンで囲むことにより、

視界が遮られ、視覚からの情報量が低下することや、

外界からの疎外感などで、

せん妄症状が悪化する可能性があります。

不適切な対応です。

選択肢5. 補聴器の装着を確認する。

正しい解答です。

Aさんは難聴があり、補聴器を使用しています。

補聴器が正しく装着されていないと、

コミュニケーション機能の障害から、

混乱を生じやすくなります。

まとめ

せん妄に対しては、

「せん妄の原因除去」「安全確保」「環境調整」「感覚機能のサポート」が大切です。
Aさんに対する看護師の対応で適切なものは、

「膀胱留置カテーテルを抜去する。」と「補聴器の装着を確認する。」です。

 

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