看護師 過去問
第114回(2025年2月)
問104 (午前 問104)

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問題

看護師試験 第114回(2025年2月) 問104(午前 問104) (訂正依頼・報告はこちら)

<問103〜問105は同一の症例設定に基づきます。各問は前問までの状況を引き継いで解答してください。>

問103はこちら

 

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(76歳、男性)は妻(72歳)と2人で暮らしている。ベッドからトイレに起きようとしたところ右上下肢にしびれと脱力感があり、動けなくなったため救急車で来院した。頭部CTで左中大脳動脈領域のラクナ梗塞(lacunar infarction)と診断され、緊急入院し血栓溶解療法が施行された。
既往歴:53歳で高血圧症(hypertension)と診断され内服治療を継続している。
生活歴:60歳まで食品会社に勤務していた。
入院時の身体所見:身長168cm、体重65kg、体温37.2℃、呼吸数20/分、脈拍78/分、整、血圧210/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>97%(room air)、右上下肢麻痺を認めた。
入院時の検査所見:白血球3,600/μL、赤血球420万/μL、Hb11.2g/dL、総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.6g/dL、空腹時血糖108mg/dL、CRP0.1mg/dL。
入院5日。Aさんは座位訓練の後、車椅子に座って食事を摂取することになった。食事動作は自助具を使用すれば少しずつ自分で摂取できるようになったが、時間が経過すると上体が右側に傾くため、体幹の右側にクッションを入れて食事をしている。
Aさんが安定して食事ができるための援助で適切なのはどれか。

  • 座位時間を徐々に短縮する。
  • テーブルの高さを高くする。
  • 背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする。
  • Aさん自身で左側に重心を傾けるよう指導する。

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この過去問の解説 (2件)

01

右上下肢麻痺のしびれと脱力感で救急搬送され、ラクナ梗塞と診断されたAさんの状況設定問題の続きです。

 

今回はAさんの「安定して食事ができるための援助」が問われています。

「食事」という言葉に、食事動作や食事形態など「食べるという行為そのもの」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、シナリオ上にも選択肢にもそのような情報はありません。

選択肢から実は「食事に臨むための姿勢やセッティング」について問われていることに気づけたでしょうか?

 

では問題を解いてみましょう。

選択肢1. 座位時間を徐々に短縮する。


座位時間は短時間から開始し、バイタルサインや体調に問題がなければ徐々に延長します。

 

選択肢2. テーブルの高さを高くする。


食事の時は軽く顎を引いて座ることが理想的です。
テーブルを高く設定すると、目線が上がり、頚部が後屈しやすくなります。
頚部後屈位は気道確保されている状態と同じで誤嚥のリスクが高まるため、テーブルを高くすることは適切ではありません。
テーブルの高さは腕をのせたときに、肘が90°の角度になる高さが適切です。

 

選択肢3. 背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする。


誤嚥を防ぐために上半身が軽く前傾となるのは正しい食事姿勢です

自分で安定した前傾姿勢をとれない場合は、タオルなどを背部に入れて姿勢を整えるのも有効です。
 

選択肢4. Aさん自身で左側に重心を傾けるよう指導する。


Aさんは右上下肢麻痺があり、自分でバランスをとることが難しいため、車椅子上でもクッションを用いて姿勢を保持しています。
重心は正中に修正するようにしていきますが、麻痺、感覚異常などがあると自分では難しいため、鏡を見ながら視覚的に自分の姿勢を確認し、正中に座るように訓練していきます。
体が右に傾くからといって左側に重心を傾けるような指導はしません。

 

まとめ

車椅子で食事を摂取するときの姿勢は以下の通りです。
  ・上半身は軽度前傾姿勢
  ・顎を少し引く
  ・テーブルの高さは腕をのせて肘が90°に曲がるくらいの高さ
  ・椅子の座面の高さは膝が90°に曲がるくらいで深く腰掛ける
  ・足底は床に接地する

また麻痺がある人の車椅子座位の注意点は以下の通りです。
  ・体が左右に傾くときはクッションなどを活用し、骨盤が水平になるようにする
  ・体がどちらかに傾いているときは、自分の重心を正中位に修正するように意識してもらう

 

右上下肢麻痺のAさんが車いすに座った時に姿勢がイメージできること、その姿勢と食事の時の正しい姿勢や角度を照らし合わせて、必要な援助方法を検討できるかがポイントとなります。

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02

正解は、「背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする。」です。

 

Aさんが安定して食事ができるための援助で

適切なものを選択する問題です。

 

選択肢1. 座位時間を徐々に短縮する。

誤った解答です。

廃用症候群の予防のため、

座位時間は徐々に延長します。

選択肢2. テーブルの高さを高くする。

誤った解答です。

テーブルの高さは、

肘が90度程度に曲がる高さが最適で、

高すぎると、頸部後屈の姿勢による誤嚥や

疲労の原因となります。

選択肢3. 背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする。

正しい解答です。

背部にタオルを入れ前傾姿勢にすることで、

重心が安定しやすく、誤嚥の予防になります。

選択肢4. Aさん自身で左側に重心を傾けるよう指導する。

誤った解答です。

自身で重心をコントロールすることは難しく、

適切な指導ではありません。

まとめ

Aさんが安定して食事ができるための援助で適切なのは、

背部にタオルを入れ軽く前傾姿勢にする。」です。

軽度前傾姿勢を保持するための環境整備を行うことで、

右上下肢に麻痺があっても、

安全に食事を摂取することができます。

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