看護師 過去問
第114回
問117 (午前 問117)

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問題

看護師試験 第114回 問117(午前 問117) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(30歳、男性)は統合失調症(schizophrenia)で内服治療をしていた。最近、部屋にこもり、精神科受診以外は外出しなくなった。ある日、母親がAさんの部屋で大量の薬を見つけ、確認すると「薬は飲みたくない」と話した。受診に付き添った母親は「Aは昼間に寝ていて、夜に窓を開けて、隣の家に向かってℾ悪口を言うな』ℾ監視するな』と大声で怒鳴る」と主治医に話した。Aさんと母親の強い希望があり、精神科病棟に入院することになり、薬物療法が開始された。
入院3日、夜間の巡視のたびにAさんは起きていて「隣の人が自分を監視している」「皆が悪口を言っている」と小さな声で看護師に話した。日中はホールで眠そうにしていることもあり、レクリエーションには「疲れた」と言って参加しない。他の患者と話すことはあるがトラブルはない。歯磨きや身だしなみは、声をかけると行う。
入院1か月、Aさんは夜間、眠れるようになり、妄想や幻聴の症状が軽減した。看護師がAさんに薬を自己中断した理由を尋ねたところ「いろいろとストレスが溜まると何もしたくなくなり、薬を飲むことも面倒でした。今回の入院で飲み続けたら嫌な症状もなくなってきました。薬は飲んだほうがよいですね。これからはストレスを感じても乗り越えていけそうです」と話した。
Aさんの考えに当てはまる概念はどれか。
  • カタルシス
  • レジリエンス
  • コンコーダンス
  • コンプライアンス

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「レジリエンス」です。

 

レジリエンスとは、

困難や逆境を乗り越え回復する力のことです。

入院1か月の発言から、

Aさんの考えに当てはまる概念を選択する問題です。

選択肢1. カタルシス

誤った解答です。

カタルシスとは、

ネガティブな感情を吐き出し、開放することで、

心が浄化されることをいいます。

Aさんの発言には、ネガティブな感情はみあたらず、

カタルシスの概念には当てはまりません。

選択肢2. レジリエンス

正しい解答です。

Aさんの発言からは、

困難やストレスに直面しても、

適応し、乗り越えようとする意志が感じられます。

レジリエンスの概念に当てはまります。

選択肢3. コンコーダンス

誤った解答です。

コンコーダンスとは、

医療専門職と患者が、対等な立場で対話し、

合意形成を図ることです。

今回のAさんの発言は、

コンコーダンスの概念に当てはまりません。

選択肢4. コンプライアンス

誤った解答です。

コンプライアンスとは、

患者が医療従事者の指示を守ることをいいます。

今回のAさんの発言から、指示されたことではなく、

身をもって経験したことを、前向きに捉えていることがうかがわれます。

コンプライアンスの概念に当てはまりません。

まとめ

Aさんの考えに当てはまる概念は、「レジリエンス」です。

Aさんの発言には、

今後困難に直面しても、自身でストレスを乗り越えようとする、

レジリエンスの概念が見てとれます。

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