看護師 過去問
第114回(2025年2月)
問146 (午後 問26)

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問題

看護師試験 第114回(2025年2月) 問146(午後 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

血漿中の重炭酸イオン濃度が基準値よりも高くなるのはどれか。
  • 過換気
  • 腎不全(renal failure)
  • 重篤な1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)
  • 慢性的な換気障害

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この過去問の解説 (3件)

01

重炭酸イオン(HCO₃⁻)は、血液の酸性・アルカリ性のバランス(pH)を保つために増減する物質です。

血液は通常、pH 7.35〜7.45(7.4±0.05)の弱アルカリ性に保たれており、重炭酸イオン(HCO₃⁻)は“アルカリ物質”としてこのバランスを支えています。

そのため、HCO₃⁻が増えると血液はアルカリ性に、減ると酸性に傾きます。

血液のpHは、呼吸状態と代謝の影響を受けて変化します。

呼吸の影響では、二酸化炭素(CO₂)が増えると酸性に、CO₂が減るとアルカリ性に傾きます。

代謝の影響では、重炭酸イオン(HCO₃⁻)が増えるとアルカリ性に、減ると酸性に傾きます。

血液が酸性に傾く状態をアシドーシスアルカリ性に傾く状態をアルカローシスと言います。


 

選択肢1. 過換気

✕:濃度は低下します。
過換気とは、二酸化炭素(CO₂)が過剰に排出される状態のことです。

二酸化炭素(CO₂)が減ると血液はアルカリ性に傾き、呼吸性アルカローシスとなります。

この段階では重炭酸イオン(HCO₃⁻)はまだ変化しませんが、アルカリ性に傾いた血液を正常に戻そうとして、腎臓が重炭酸イオン(HCO₃⁻)(アルカリ成分)の排泄を進めます

その結果として時間が経つと血液中のHCO₃⁻濃度が低下します。


 

選択肢2. 腎不全(renal failure)

✕:濃度は低下します。

腎臓がになっているpHバランスを保つために機能は主に3つあります。
①酸を尿中に排出

②重炭酸イオン(HCO₃⁻)の再吸収

③酸を中和するためのアンモニアの生産
腎不全になることで、これらの働きが損なわれ、「酸の貯留・重炭酸イオン(アルカリ成分)の減少=代謝性アシドーシス」となります。


 

選択肢3. 重篤な1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)

✕:濃度は低下します。

膵臓から分泌されるインスリンは、血中の糖をエネルギーにかえるはたらきを持ちます。インスリンが分泌できない1型糖尿病では、糖代謝の代わりに脂肪を分解してエネルギー源とします。この脂肪分解の過程で「ケトン体」が生成されます。ケトン体は酸性物質であるため、血液は酸性に傾きます(糖尿病性ケトアシドーシス)

血液が酸性に傾くと、その酸を中和するために重炭酸イオン(HCO₃⁻)が消費されます。その結果、血液中の重炭酸イオン(HCO₃⁻)濃度は低下します。


 

選択肢4. 慢性的な換気障害

〇:濃度は高くなります。

慢性的な換気障害では、二酸化炭素(CO₂)が排出できず体内に蓄積し、血液が酸性に傾く「慢性呼吸性アシドーシス」となります。

この酸性状態を補正するために、腎臓では、重炭酸イオン(HCO₃⁻)(アルカリ成分)の再吸収のはたらきを強めます。

その結果として血液中の重炭酸イオン(HCO₃⁻)濃度は上昇します。


 

まとめ

塩酸基の問題はとてもややこしいですよね。

呼吸の異常で原因になるのは「二酸化炭素(CO₂):酸性物質」>

これが 溜まるのか: 酸 性 :「呼吸性アシドーシス」

    減るのか :アルカリ性:「呼吸性アルカローシス」

※この状態での重炭酸イオン(HCO₃⁻)の増減はその代償
 

代謝の異常で原因になるのは「重炭酸イオン(HCO₃⁻):アルカリ物質」>

これが 溜まるのか:アルカリ性:「代謝性アルカローシス」

    減るのか: 酸 性 :「代謝性アシドーシス」
※この状態での二酸化炭素(CO₂)増減はその代償

 

ということを意識して整理すると理解しやすくなります。

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02

pHバランスに関する問題です。pHのバランスを保つために起こる体の中の反応があり、それによりpHは7.4±0.05に保たれています。

選択肢1. 過換気

不正解です。過換気で二酸化炭素分圧が減少するため、それに伴い重炭酸イオン濃度も減少してpHのバランスを保ちます。

選択肢2. 腎不全(renal failure)

不正解です。腎不全では重炭酸が基準値より低下します

選択肢3. 重篤な1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)

不正解です。重篤な1型糖尿病では重炭酸が基準値より低下します。

選択肢4. 慢性的な換気障害

正解です。慢性的な換気障害では二酸化炭素分圧が基準値よりも上昇し、その代償反応として重炭酸イオン濃度が基準値よりも上昇します。

まとめ

体内のpHのバランスを保つための仕組みを理解する必要がある難しい問題です。どのような要因がpHの変化を起こし、それを戻すために体はどのような反応をするのか、整理しておく必要があります。

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03

正解は、「慢性的な換気障害」です。

 

慢性的な換気障害があると、

二酸化炭素排出が低下し体内に蓄積するため、

腎臓が代償し、重炭酸イオンの再吸収を促進します。

結果、血漿中の重炭酸イオン濃度が基準値より高くなります。

この状態を、呼吸性アシドーシスといいます。

 

選択肢1. 過換気

誤った解答です。

過換気では、呼吸数が増え、

二酸化炭素を多量に排出するため、

血漿中の重炭酸イオン濃度が低下し、

呼吸性アルカローシスとなります。

選択肢2. 腎不全(renal failure)

誤った解答です。

腎不全では、酸の排泄障害から、

血漿中の重炭酸イオン濃度が低下し、

代謝性アシドーシスとなります。

 

選択肢3. 重篤な1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)

誤った解答です。

重篤な1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)では、

ケトン体が大量に生成され、体内に蓄積することで、

血漿中の重炭酸イオン濃度が低下し、

代謝性アシドーシスとなります。

選択肢4. 慢性的な換気障害

正しい解答です。

冒頭文のとおりです。

まとめ

血漿中の重炭酸イオン濃度が基準値よりも高くなるのは、

「慢性的な換気障害」です。

血液のpHが酸性に傾いた状態をアシドーシス、

アルカリ性に傾いた状態をアルカローシスといいます。

呼吸の問題で起こる呼吸性のものと、

代謝の問題で起こる代謝性のものがあります。

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