看護師 過去問
第114回
問199 (午後 問79)

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問題

看護師試験 第114回 問199(午後 問79) (訂正依頼・報告はこちら)

狭窄による血流低下で二次性高血圧(secondary hypertension)を起こす血管はどれか。
  • 冠動脈
  • 肝動脈
  • 頸動脈
  • 腎動脈
  • 脳動脈

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この過去問の解説 (3件)

01

血管の種類は大きく分けて動脈、静脈、細小動脈、毛細血管の4つです。動脈は酸素や栄養分を運ぶ役割があります。

選択肢1. 冠動脈

不正解

心筋に血液を送る血管です。狭窄すると心筋梗塞のリスクは上がりますが、高血圧の直接原因にはならないです。

選択肢2. 肝動脈

不正解

肝臓へ血液を送る血管です。狭窄しても高血圧には直結しません。

選択肢3. 頸動脈

不正解

へ血液を送る血管です。狭窄すると脳梗塞リスクは上がりますが、高血圧の原因にはなりません。

選択肢4. 腎動脈

正解

腎臓への血流が低下すると、腎臓は血圧を上げて血流を確保するためにレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)が活性化され、二次性高血圧(腎実質性・腎血管性高血圧)を起こします。

選択肢5. 脳動脈

不正解

の血流に影響しますが、高血圧の直接原因にはなりません。

まとめ

腎臓と血圧は互いに深く関連しており、高血圧は腎臓に負担をかけ、腎機能の低下を引き起こすことがあります。

腎臓から分泌される「レニン」という酵素は、血圧を上げる作用をもつ「アンジオテンシンⅡ」というホルモンをつくるのに欠かせない物質で、これによって腎臓は血圧を一定に保つ手助けをしています。腎臓のはたらきが悪くなると、血圧を調節する能力は低下するため高血圧になる傾向があります。

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02

腎動脈の狭窄は、血流低下をきっかけに二次性高血圧を引き起こします。
腎臓は血液量と血圧を調整する臓器です。腎動脈が細くなって流れが減ると、

腎臓は「全身の血圧が足りない」と誤って判断し、レニン‐アンジオテンシン系を強く働かせて血圧を上げます。

選択肢1. 冠動脈

心筋に血液を送る血管で、狭窄すると狭心症や心筋梗塞を起こします。

高血圧の主原因にはなりません。

選択肢2. 肝動脈

肝臓へ血液を送ります。

狭窄しても血圧調節ホルモンを大きく変化させる仕組みはありません。

選択肢3. 頸動脈

脳へ向かう太い血管で、狭窄すると脳虚血やめまいの原因になりますが、高血圧を直接つくり出すことは少ないです。

選択肢4. 腎動脈

ここが細くなると腎臓は血流不足を補おうとレニンを放出し、アンジオテンシンⅡを増やします。

その結果、末梢血管が収縮し、ナトリウムと水が再吸収されて全身の血圧が上がります。

選択肢5. 脳動脈

狭窄すると脳梗塞のリスクは高まりますが、腎臓のようにホルモンで血圧を変える働きはありません。

まとめ

二次性高血圧は、特定の臓器やホルモン異常が原因で起こる高血圧です。

腎動脈狭窄では、腎臓が「血圧を上げるホルモン系」を過剰に動かすため、薬で下がりにくいことがあります。

治療は血管拡張薬だけでなく、レニン‐アンジオテンシン系を抑える薬や、場合によっては狭窄部の血管拡張術が選ばれます。

他の動脈の狭窄は主に虚血症状を招きますが、血圧上昇とは直結しない点を整理すると、問題が解きやすくなります。

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03

正解は、「腎動脈」です。

 

狭窄による血流障害で、

二次性高血圧を起こす血管を選択する問題です。

 

二次性高血圧とは、内分泌系や腎臓の疾患が原因で起こる高血圧を言います。

選択肢1. 冠動脈

誤った解答です。

冠動脈の狭窄は、心筋虚血や心筋壊死につながり、

狭心症や心筋梗塞を引き起こします。

二次性高血圧の原因には当てはまりません。

選択肢2. 肝動脈

誤った解答です。

肝動脈の狭窄では、肝梗塞や虚血性肝炎を引き起こすことがありますが、

二次性高血圧の原因には当てはまりません。

選択肢3. 頸動脈

誤った解答です。

頸動脈の狭窄は、脳血流の低下によるTIA(一過性脳虚血発作)や脳梗塞の原因となりますが、

二次性高血圧の原因には当てはまりません。

選択肢4. 腎動脈

正しい解答です。

腎動脈の狭窄により、腎血流が低下すると、

レニンの分泌が亢進されます。

その結果、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン(RAA)系を刺激し、

二次性高血圧が引き起こされます。

選択肢5. 脳動脈

誤った解答です。

脳動脈の狭窄は、脳梗塞の原因となりますが、

二次性高血圧の原因には当てはまりません。

 

まとめ

狭窄による血流低下で二次性高血圧(secondary hypertension)を起こす血管は、「腎動脈」です。

他の選択肢は、狭窄による虚血性疾患を引き起こす動脈で、

二次性高血圧の原因にはなりません。

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