看護師 過去問
第114回
問203 (午後 問83)

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問題

看護師試験 第114回 問203(午後 問83) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(35歳、女性)は1年前に子宮体癌(uterine corpus cancer)のために単純子宮全摘出術と両側卵巣摘出術を受け、その後、ホルモン補充療法は受けずに健康に過ごしている。
Aさんの血液中で術前よりも濃度が上昇しているホルモンはどれか。2つ選べ。
  • テストステロン
  • プロゲステロン
  • エストラジオール
  • 黄体形成ホルモン<LH>
  • 卵胞刺激ホルモン<FSH>

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、

黄体形成ホルモン<LH>」と「卵胞刺激ホルモン<FSH>」です。

 

卵巣は女性ホルモンを分泌する臓器です。

下垂体前葉から分泌される、性腺刺激ホルモン(LHとFSH)によって、

分泌量が調整されています。

選択肢1. テストステロン

誤った解答です。

テストステロンは、卵巣のほか副腎からも分泌されますが、

卵巣を摘出すると低下し、上昇はしません。

 

選択肢2. プロゲステロン

誤った解答です。

プロゲステロンは、卵巣摘出後は分泌されなくなるため、

血中濃度が低下します。

選択肢3. エストラジオール

誤った解答です。

エストラジオールは、エストロゲンの主要成分です。

卵巣摘出後は分泌されなくなるため、

血中濃度は低下します。

選択肢4. 黄体形成ホルモン<LH>

正しい解答です。

黄体形成ホルモン<LH>は、下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンです。

卵巣を摘出することで、エストロゲン・プロゲステロンの分泌がなくなると、

その分泌を促すため、LHの分泌が促進されます。

よって、血中濃度は上昇します。

選択肢5. 卵胞刺激ホルモン<FSH>

正しい解答です。

卵胞刺激ホルモン<FSH>は、下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンです。

卵巣を摘出することで、エストロゲン・プロゲステロンの分泌がなくなると、

その分泌を促すため、FSHの分泌が促進されます。

よって、血中濃度は上昇します。

まとめ

両側卵巣摘出後、血中濃度が上昇するのは、

「黄体刺激ホルモン<LH>」と「卵胞刺激ホルモン<FSH>」です。

この現象は、更年期でもみられます。

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02

上昇するホルモン:黄体形成ホルモン(LH) と 卵胞刺激ホルモン(FSH)
両側卵巣を摘出すると卵巣からのエストロゲンとプロゲステロンがほぼ出なくなります。

これらのホルモンが減ると、脳は「もっと作って」と指示を出すため、視床下部‐下垂体系がLH と FSHを多く分泌します。

選択肢1. テストステロン

主な産生場所は卵巣と副腎です。

卵巣がなくなる分だけ低下しやすく、術後に上がるわけではありません。

選択肢2. プロゲステロン

排卵後にできる黄体が作ります。

卵巣がないと産生できないので大きく減ります。

選択肢3. エストラジオール

卵胞が分泌する代表的なエストロゲンです。

卵巣摘出後は急激に低下します。

選択肢4. 黄体形成ホルモン<LH>

卵巣ホルモンの減少により、負のフィードバックが解除されて分泌が増えます

選択肢5. 卵胞刺激ホルモン<FSH>

LHと同じしくみで、卵巣ホルモンの欠乏を補おうとして分泌が増えます

まとめ

卵巣摘出後はエストロゲンとプロゲステロンが減少し、それを感知した脳がLH と FSH を上げることでバランスを取ろうとします。

この仕組みは閉経後や卵巣機能不全でも同じで、血中のLH・FSH値が高いことが診断の目安になります。

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