看護師 過去問
第114回(2025年2月)
問204 (午後 問84)

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問題

看護師試験 第114回(2025年2月) 問204(午後 問84) (訂正依頼・報告はこちら)

後天性の大動脈弁狭窄症(aortic stenosis)について正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 二尖弁が多い。
  • 弁尖の石灰化による。
  • 左室壁は徐々に薄くなる。
  • 収縮期に心雑音を聴取する。
  • 心筋の酸素消費量は減少する。

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この過去問の解説 (3件)

01

大動脈弁狭窄症とは、この大動脈弁が加齢や動脈硬化によって硬化・狭小化し、全身の血流が阻害される心臓弁膜症の一種です。

大動脈弁狭窄症という疾患の特徴のほか、心臓の解剖や、血液がどのようなルートで心臓に流入・流出するかをイメージできれば、この問題は理解しやすくなります。


「大動脈弁」とは、左心室から大動脈への出口に位置する心臓弁です。心臓弁は全部で4つ(三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁)あり、血管へ流入出する血液の逆流を防ぐはたらきがあります。
 

<全身に酸素を送り届けた後の血液(静脈血)は大静脈・下大静脈から右心房へ流入します。>
全身⇒大静脈・下大静脈⇒右心房⇒三尖弁⇒右心室⇒肺動脈⇒肺
<肺で酸素を受け取った血液は左心室のポンプ機能によって全身へ送り出されます。>
肺⇒肺静脈⇒左心房⇒僧帽弁⇒左心室⇒大動脈弁⇒大動脈⇒全身
 

選択肢1. 二尖弁が多い。


「二尖弁が多い」という表現に注意が必要です。
左心房にある僧帽弁は2枚でできており、これを「二尖弁」と言いますが異常ではありません。
一方で、通常3枚ある大動脈の弁が2枚しかない先天的な疾患を「先天的大動脈二尖弁」といいます。この場合、もともと二尖弁である僧帽弁と二尖となっている大動脈弁の2つ存在するため「多く」なります。
 

選択肢2. 弁尖の石灰化による。


弁膜症の主な原因はな「動脈硬化」です。加齢や生活習慣病によって大動脈弁で動脈硬化が進行すると、弁尖にカルシウムが沈着・石灰化して硬くなります。
弾力性が失われることで正常な開閉ができなくなり、狭窄症を引き起します。

選択肢3. 左室壁は徐々に薄くなる。


大動脈狭窄により、左心室への血液の逆流が起きます。その結果、左心室はより強い圧力で血液を押し出す必要が生じ、左心室内の圧が上昇します。
左心室はこの負荷に適応するため、心筋が肥厚し、左室壁が厚くなります。

選択肢4. 収縮期に心雑音を聴取する。


血液を送り出すために心臓が収縮した際、狭くなった大動脈弁を血液が通過することで生じる雑音を「駆出性収縮期雑音」といいます。
胸骨右縁第2肋間(大動脈弁領域)で最も強く聴取され、「ブーン」「ザーッ」といった荒々しい音(ハーシュ・マーマー)が特徴です。狭窄が重症化するほど雑音は大きくなります。

選択肢5. 心筋の酸素消費量は減少する。


大動脈狭窄によって左寝室に負荷がかかることで壁厚の増大・心筋重量が増加し「心筋肥大」が起こります。
心筋量が増えることで心筋全体の酸素消費量も増大させます。

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02

正解は、「弁尖の石灰化による。」と「収縮期に心雑音を聴取する。」です。

 

後天性の大動脈弁狭窄症は、

加齢に伴う動脈硬化や弁の石灰化が原因で起こります。

選択肢1. 二尖弁が多い。

誤った解答です。

大動脈狭窄症には、先天性のものと後天性のものがあります。

二尖弁は、先天性疾患であり、

先天性の大動脈弁狭窄症を引き起こす

主要原因となります。

 

選択肢2. 弁尖の石灰化による。

正しい解答です。

後天性の大動脈弁狭窄症では、

加齢による弁尖の石灰化で、左心室への負荷が増加します。

選択肢3. 左室壁は徐々に薄くなる。

誤った解答です。

後天性の大動脈弁狭窄症では、血液の出口が狭くなることで、

左室に圧負荷がかかり、左室壁が肥大する、

左室肥大を呈します。

選択肢4. 収縮期に心雑音を聴取する。

正しい解答です。

後天性の大動脈弁狭窄症では、収縮期駆出性心雑音という、

特徴的な心雑音を聴取します。

 

選択肢5. 心筋の酸素消費量は減少する。

誤った解答です。

後天性の大動脈弁狭窄症では、

左室壁の肥大や左室の圧負荷で心筋が必要とするエネルギーが増え、

酸素消費量が増加します。

まとめ

後天性の大動脈弁狭窄症(aortic stenosis)について正しいのは、

弁尖の石灰化による。」と「収縮期に心雑音を聴取する。」です。

後天性の大動脈弁狭窄症は、

高齢化が進むなか、患者数が増加しています。

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03

正しい選択肢:弁尖の石灰化による / 収縮期に心雑音を聴取する
後天性の大動脈弁狭窄症は、加齢や高血圧などを背景に弁が硬く厚くなり、左心室から血液を送り出しにくくなる病気です。

特徴は弁尖(べんせん)の石灰化が進むことと、心臓が収縮して血液が弁を通る瞬間に収縮期雑音が聞こえることです。

 

選択肢1. 二尖弁が多い。

二尖弁(生まれつき弁が2枚しかない状態)は先天性です。

問題では「後天性」を聞いているため当てはまりません。

選択肢2. 弁尖の石灰化による。

加齢や生活習慣で弁のコラーゲンが傷み、カルシウムが付いて硬くなるのが主な原因です。

これにより弁が開きにくくなります。

選択肢3. 左室壁は徐々に薄くなる。

狭窄で血液を押し出す力が必要になるため、左心室の壁は厚くなる(肥大)傾向があります。

薄くはなりません。

選択肢4. 収縮期に心雑音を聴取する。

弁が狭いところを血液が高速で通過するため、ゴーッという収縮期雑音が胸骨右縁でよく聞こえます。

選択肢5. 心筋の酸素消費量は減少する。

左心室が強く働くので酸素消費はむしろ増え、狭心症様の胸痛が出ることもあります。

まとめ

後天性大動脈弁狭窄症は 「石灰化」+「収縮期雑音」 がキーポイントです。

弁が固くなるほど左心室は強く収縮し、壁が厚くなり、酸素需要も上がります。

進行すると失神や心不全を起こすため、雑音や胸部症状に気づいたら早めに検査と治療方針を検討することが大切です。

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