看護師 過去問
第114回(2025年2月)
問213 (午後 問93)
問題文
Aさん(88歳、男性)は妻(82歳)と2人で暮らしている。息子2人は独立して生活している。要介護度は5で、エアマットレスを使用している。食事は妻の介助で1日1回ペースト食を食べているがむせることもあり、食事が全くとれない日もある。排泄はオムツを使用し、毎日訪問介護サービスを利用して、オムツ交換と陰部洗浄を受けている。訪問看護は週3回利用している。Aさんは妻が話しかけると返事はするが自発的な会話はない。着替えをするときに上肢を動かすと苦痛表情がある。
Aさんは声をかけても返答したり目を開けたりすることもなく、穏やかな表情で眠っていることが多くなった。Aさんの妻は「夫は話しかけても何も答えてくれないので、どうしたらよいか分かりません」と訪問看護師に話した。
このときの妻への声かけで適切なのはどれか。
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問題
看護師試験 第114回(2025年2月) 問213(午後 問93) (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(88歳、男性)は妻(82歳)と2人で暮らしている。息子2人は独立して生活している。要介護度は5で、エアマットレスを使用している。食事は妻の介助で1日1回ペースト食を食べているがむせることもあり、食事が全くとれない日もある。排泄はオムツを使用し、毎日訪問介護サービスを利用して、オムツ交換と陰部洗浄を受けている。訪問看護は週3回利用している。Aさんは妻が話しかけると返事はするが自発的な会話はない。着替えをするときに上肢を動かすと苦痛表情がある。
Aさんは声をかけても返答したり目を開けたりすることもなく、穏やかな表情で眠っていることが多くなった。Aさんの妻は「夫は話しかけても何も答えてくれないので、どうしたらよいか分かりません」と訪問看護師に話した。
このときの妻への声かけで適切なのはどれか。
- 「Aさんの体にできるだけ触れるようにしましょう」
- 「Aさんは苦痛を感じることはありません」
- 「Aさんが休めるよう静かにしましょう」
- 「Aさんの世話を頑張りましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
反応性の低下や覚醒時間の減少が進行しており、Aさんは終末期の状態に入りつつあると判断できます。言語的コミュニケーションがとれなくても、家族の声や触れ合いはAさんに届いており、安心につながる大切な時期でもあります。ご本人とご家族が安心して穏やかな気持ちで看取りの時期を迎えられるよう、家族への支援と説明が必要な段階です。
〇
Aさんは反応性が低下しており、言語的なコミュニケーションが難しくなっていますが、終末期では「聴覚や触覚は最後まで残る」と言われています。そのため、体をやさしくさするタッチングや語りかけ、ご本人が好きだった音楽を流すなどの非言語的コミュニケーションを取り入れることが有効です。これらの関わりはAさんだけでなく、ご家族の安心や心の準備にもつながるため、「できるだけ触れる」という声かけは適切です。
✕
Aさんは、「穏やかな表情で眠っている」ことから苦痛を感じている可能性は低いと考えられますが、一般的に「本人の訴えがない、または、終末期=苦痛はない」ではありません。
終末期では自発的な訴えが乏しくなるため、表情、体動、呼吸状態、バイタルサインなどの変化から苦痛の有無を評価し、適切に症状を緩和することが重要とされています。そのため、「Aさんは苦痛を感じることはありません」という判断や声かけは適切ではありません。
✕
Aさんは言語的なコミュニケーションが難しくなっていますが、終末期でも聴覚や触覚などの感覚は残っているとされています。静かにするだけでは不安や苦痛の緩和にはつながらず、むしろ孤立感を強めることがあります。やさしい声かけやタッチングはAさんの安心につながるだけでなく、ご家族の心の準備や心理的負担の軽減にも役立つため、「静かにしましょう」という声かけは適切ではありません。
✕
Aさんは終末期にあり、積極的なケアや刺激はかえって負担になる可能性があります。ご本人とご家族が心穏やかに過ごせるよう、必要最低限のケアにとどめ、Aさんの状態や終末期の特徴を家族と共有することが大切です。
また、安心につながる声かけやタッチングを取り入れることは、ご本人だけでなくご家族の心の準備や心理的負担の軽減にも役立ちます。そのため、「世話を頑張りましょう」という声かけは適切ではありません。
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02
正解は、「Aさんの体にできるだけ触れるようにしましょう」です。
臨終が近づくAさんをそばで見ている妻は、
どう関わったらよいのか、戸惑っている状況です。
訪問看護師は、Aさんの妻が、
看取りの過程に参加できていると感じられるよう、
スキンシップを促す声かけを行います。
正しい解答です。
聴覚や触覚は、臨終まで保たれる機能といわれています。
臨終が近づく時期には、手を握ったり、身体をさすることで、
互いに安心感や愛情を感じ取ることができます。
誤った解答です。
穏やかな表情から、
Aさんは強い苦痛は感じていないことがうかがえますが、
感じていないとは客観的には言い切れません。
また、妻の不安な気持ちへの理解が足りていない声かけです。
誤った解答です。
在宅は、生活音の絶えない場所です。
家族が普段通り生活することで、
聞きなれた音が、Aさんの安心感を高めます。
静かにしているよう声かけをすることは適切ではありません。
誤った解答です。
Aさんの妻は、終末期を在宅で過ごすAさんの介護を、
もうすでに頑張ってきました。
疲労や不安感を抱えたなか、さらに頑張りを促す声かけは、
妻の心理的負担を増大させます。
妻への声かけで適切なのは、
「Aさんの体にできるだけ触れるようにしましょう」です。
Aさんの反応がなくても、家族が思い残すことのないよう、
積極的にスキンシップを促す声かけが必要です。
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03
結論:Aさんの体にできるだけ触れるようにしましょう
穏やかに横たわる時期でも、聴覚や触覚は最後まで残りやすいと言われます。
優しく手を握ったり肩に触れたりしながら声をかけると、Aさんは安心感を得やすく、妻も「通じている」という実感を持てます。
触覚刺激は愛情や安心を伝える大切な手段です。
強い動きで痛みを与えないよう注意しつつ、手を取り「ここにいるよ」と伝えることで双方の不安を和らげます。
苦痛の有無を断定することはできません。
表情やバイタルを見ながら適切にケアする姿勢が必要です。
静寂を保つだけではコミュニケーションの機会が減ります。
むしろ穏やかな語りかけと触れ合いが安心につながります。
励ましのつもりでも、妻に過度の責任感や負担感を与える表現です。
サポート体制を整えながら無理のないケアを勧めることが大切です。
触れる・語りかけることで残された感覚に働きかけ、心のつながりを保てます。
痛みが出やすい部位は動かしすぎず、手や頬など負担の少ない場所を優しく触れるのがポイントです。
看護師は妻が疲れないよう支援体制を整え、安心して寄り添える環境づくりを続けていきます。
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