看護師 過去問
第114回
問231 (午後 問111)

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問題

看護師試験 第114回 問231(午後 問111) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断され、入院後に分娩した。
Aさんの分娩経過を以下に示す。

2時00分 陣痛周期10分
5時30分 入院
15時00分 分娩室入室
15時30分 子宮口全開大
15時40分 自然破水
16時20分 児娩出
16時30分 胎盤娩出
18時30分 帰室

児は出生2時間後、寝衣を着用しコットに収容された。児のバイタルサインは、体温(腋窩温)36.4℃、呼吸数40/分、心拍数120/分であった。また末の冷感はあるが、チアノーゼは認めなかった。排尿、排便はない。児の頰を軽く突くと刺激の方向を向き、口を開ける動作がみられる。また、腋窩と鼠径部に胎脂が付着している。
このときに必要なケアはどれか。
  • 掛け物を温めたものに交換する。
  • 口腔内吸引をする。
  • 肛門刺激をする。
  • 沐浴をする。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「掛け物を温めたものに交換する。」です。

 

出生2時間後の新生児の体温の正常値は、

36.5℃~37.5℃です。

新生児は体温調節機能が未発達であり、

保温のため、外部の環境を整える必要があります。

 

 

選択肢1. 掛け物を温めたものに交換する。

正しい解答です。

Aさんの児は、出生2時間の体温が36.4℃で、

低体温であり、末の冷感がみられています。

温めた掛け物で保温することが必要なケアです。

選択肢2. 口腔内吸引をする。

誤った解答です。

Aさんの児は、呼吸数40/分と正常範囲内で、

チアノーゼもみられていません。

呼吸状態は安定していると判断でき、

口腔内吸引は必要のないケアです。 

選択肢3. 肛門刺激をする。

誤った解答です。

多くの新生児で、出生後24時間以内に初回の胎便がみられます。

Aさんの児は、出生後2時間なので、

肛門に刺激を与える必要はなく、必要のないケアです。

選択肢4. 沐浴をする。

誤った解答です。

Aさんの児には、腋窩と鼠径部に胎脂が付着しています。

胎脂には、体温低下を防ぐ機能があり、取り除くべきではありません。

また、Aさんの児は、低体温であり、

沐浴によりさらなる体温低下を招くおそれがあるため、

必要なケアではありません。

まとめ

出生後2時間のAさんの児に必要なケアは、

掛け物を温めたものに交換する。」です。

この症例の新生児のケアでは、

保温が最も優先順位の高いケアです。

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02

結論:掛け物を温めたものに交換する
出生後 2時間の新生児は体温調節がまだ未熟です。体温36.4℃は下限ぎりぎりで、末端が冷えていることから保温の強化が最優先となります。

温かい掛け物に替えて体熱の放散を防げば、低体温や呼吸不安定を予防できます。

選択肢1. 掛け物を温めたものに交換する。

保温は新生児ケアの基本で、特に末端冷感を伴うときは有効です。

体温低下を防ぎ、エネルギー消費も抑えられます。

選択肢2. 口腔内吸引をする。

呼吸数40/分・チアノーゼなしで吸引音も示されていません。

不要な吸引は粘膜を傷つけるため避けます。

選択肢3. 肛門刺激をする。

排便がまだなくても 24時間以内は生理的範囲です。

便を促すための刺激は必要ありません。

選択肢4. 沐浴をする。

体温が不安定な時期の沐浴は低体温を招きやすく、胎脂も自然な皮膚保護膜として残しておく方が望ましいです。

まとめ

・体温保持が最優先

・口腔吸引・肛門刺激・沐浴は、今の状態では必要性が低く、かえって負担を与える可能性があります。

・温かい掛け物で包み、室温の適切な保温管理も同時に確認すると安全です。

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