看護師 過去問
第115回(2026年2月)
問94 (成人看護学 問13)

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問題

看護師試験 第115回(2026年2月) 問94(成人看護学 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(56歳、男性、会社員)は胸部食道癌(thoracic esophageal cancer)と診断され、開胸開腹下で食道切除再建術を受けることになった。病状と手術の説明を聞き「酒もほとんど飲まないのに、食道癌(esophageal cancer)になっちゃうんですね」と落ち込んだ様子で「早くよくなりたい。20歳から毎日20本吸っていたタバコも手術が決まってやめました」と話した。
身体所見:身長168cm、体重54kg、BMI19。
血液所見:Hb13.6g/dL、Ht41.4%、血小板数28万/pL、プロトロンビン時間11秒、総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、空腹時血糖102mg/dL、HbA1c4.8%。
呼吸機能所見:%VC78%、FEV1%67%。

術前のAさんの状況から、術後に最も起こる可能性の高い合併症はどれか。
  • 出血
  • 無気肺(atelectasis)
  • 縫合不全
  • 深部静脈血栓症〈DVT〉(deep vein thrombosis)

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この過去問の解説 (2件)

01

VC 78%は拘束性換気障害の疑い(基準値:80%以上)で肺が十分に広がりにくく、空気を吸い込む容量(肺活量)が低下している状態です。、1秒率67%と閉塞性換気障害を疑います。開胸開腹による手術創の痛みで深呼吸や排痰が困難となり、気道分泌物が詰まりやすくなります。長期喫煙による気道粘膜障害に術後の疼痛や創部固定が重なるため、無気肺のリスクが高いです。

選択肢1. 出血

誤りの解答です。

血小板数28万/μL、プロトロンビン時間11秒と凝固能は正常範囲内です。食道切除術全体で出血のリスクはあるものの、術前データから予測されるものではありません。

選択肢2. 無気肺(atelectasis)

正しい解答です。

喫煙歴があり1秒率が低下(閉塞性換気障害)しています。開胸開腹術後は切開創の痛みで浅呼吸となり、痰を自力排出しにくくなり、気道が閉塞して無気肺を起こしやすくなります。

選択肢3. 縫合不全

誤りの解答です。

血清アルブミン値3.8g/dL、総蛋白6.2g/dLと栄養状態は保たれています。縫合不全は食道手術の重要な合併症ですが、術前データから予測されるものではありません。

選択肢4. 深部静脈血栓症〈DVT〉(deep vein thrombosis)

誤りの解答です。

がん手術や長期臥床はDVTのリスク要因ですが、際立っているのは呼吸機能低下です。予防措置は行いますが、起こりやすいのは呼吸器合併症です。

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02

術前のアセスメントを行います。

選択肢1. 出血

✕

凝固機能は正常範囲であるため、出血リスクは高くありません。

選択肢2. 無気肺(atelectasis)

○

%VCが80%以上でかつFEV1.0%が70%以上の場合、正常機能と判断します。Aさんの術前の検査データでは正常範囲内ではありません。よって、呼吸機能の低下、喫煙歴や手術による長時間の同一体位により、気道内分泌物貯留による無気肺を起こすリスクが最も高いことが考えられます。

選択肢3. 縫合不全

✕

術前のアルブミンは正常範囲内下限で、縫合不全リスクは無気肺ほど高くありません。

選択肢4. 深部静脈血栓症〈DVT〉(deep vein thrombosis)

✕

食道切除再建術の手術時間は6~12時間程度と非常に長いため、深部静脈血栓症〈DVT〉を起こす可能性があります。しかし、AさんのBMI 19とやせ型であり、術前のヘマトクリット値は正常範囲内であるため、深部静脈血栓症〈DVT〉が高リスクとは言えません。

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