看護師 過去問
第115回(2026年2月)
問102 (老年看護学 問9)

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問題

看護師試験 第115回(2026年2月) 問102(老年看護学 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

<問100〜問102は同一の症例設定に基づいています。各問は前問までの状況を引き継いで解答してください。>

問100はこちら

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(75歳、男性)は妻(70歳)と2人で暮らしている。日中は本を読んで過ごすことが多い。2か月前からAさんは、椅子から立ち上がる時にバランスを崩すことや「寝室に女の子がいる」と言うことがあった。また、就寝後、夜間に大きな声で「おーい」と叫んで手を振る行動が継続してみられるようになった。心配になった妻がAさんと病院を受診し、初期のLewy〈レビー〉小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断された。Aさんは要介護認定の申請をし、要支援1と認定された。

診断から4か月後、病院受診時にAさんは、外来看護師に「最近、歩こうとすると足が前に出ないことがありますが、地域の行事に参加して、いろいろな人と交流しながら、妻との生活を続けたいです。今できていることを維持するために、運動が効果的と聞きました。何か方法はありますか」と話した。
外来看護師の助言として最も適切なのはどれか。

  • 「毎日、散歩に行きましょう」
  • 「家の中で運動できるサービスがありますよ」
  • 「次回の受診時に医師に相談してみましょう」
  • 「介護予防通所リハビリテーションが利用できますよ」

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この過去問の解説 (2件)

01

Aさんは要支援1と認定された初期のレビー小体型認知症の75歳男性です。認知症状や幻視、レム睡眠行動障害に加え、立ち上がり時のバランス低下や足が前に出ないすくみ足といったパーキンソニズム(運動機能障害)が症状にあります。一方、地域行事への参加や他者と交流しながら、身体機能を維持したいという意欲があり、安全面の配慮と希望に寄り添う支援が必要です。

選択肢1. 「毎日、散歩に行きましょう」

誤りの解答です。

すくみ足などパーキンソニズムの症状が見られるため、自己判断での散歩は転倒や事故のリスクが高く危険です。専門職による評価や指導がないまま勧めるのは不適切です。

選択肢2. 「家の中で運動できるサービスがありますよ」

誤りの解答です。

通所可能なAさんの外に出ていろいろな人と交流したいという希望に反するため、提案として適切ではありません。

選択肢3. 「次回の受診時に医師に相談してみましょう」

誤りの解答です。

看護師には利用可能な介護保険サービスを提案する役割があります。患者からの具体的な相談を先送りし、医師への相談任せにする対応は不適切です。

選択肢4. 「介護予防通所リハビリテーションが利用できますよ」

正しい解答です。

要支援1で利用可能なサービスです。理学療法士等の指導下で安全に運動機能維持を目指せ、通所により人と交流したいAさんの希望も叶えられます。

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02

レビー小体型認知症は「三大認知症」と呼ばれ、レビー小体が脳の大脳皮質と呼ばれる部位に蓄積することで発症します。幻視(非常に詳細)、動作緩慢(手足の震え・筋肉のこわばり・動きがゆっくりになる・小刻み歩行)、レム睡眠行動障害(夢の中の行動がそのまま身体の動きとして出てしまう状態)などの症状がおこりやすくなります。

検査:詳細な問診、神経学的診察、頭部MRIなどです。

看護の重要なポイント:症状は日内変動が大きく、転倒リスクが高いため、十分な注意が必要です。日常生活に支障があるかどうかを見極め、介護保険サービスなど社会資源を使用する等、環境調整を行うことが必要です。

選択肢1. 「毎日、散歩に行きましょう」

運動習慣としての散歩自体は推奨されています。しかしAさんはすでに「歩こうとすると足が前に出ない」というすくみ足を自覚しており、レビー小体型認知症ではパーキンソニズムによる転倒リスクが高い状態です。Aさんの妻は70才と高齢であり、Aさんの安全管理に十分に注意を払いながら毎日の散歩を推奨することは妻の心身への負担にもつながります。専門職による安全管理下で、運動環境を整えるほうが優先されます。

 

よってこちらは該当しません。

選択肢2. 「家の中で運動できるサービスがありますよ」

Aさんは、「地域の行事に参加して、いろいろな人と交流しながら、妻との生活を続けたい」という希望があります。看護師としては、本人の希望と要介護度に合った社会資源を具体的に提案する役割があります。要支援1で実際に利用できる介護保険サービスを具体的に提案することが重要です。在宅での継続支援は重要ですが、本人の意向に沿い、交流機会を奪わない選択肢を提示すべきです。

 

よってこちらは該当しません。

選択肢3. 「次回の受診時に医師に相談してみましょう」

医療の現場において、報告・連絡・相談は大変重要なことです。すくみ足の出現は医師との情報共有として必要ですが、運動方法の相談に対して「医師に聞いてください」と返すのは看護師の役割放棄になります。Aさんは看護師に「何か方法はありますか」と質問しているので、看護師は具体的な情報提供を行い、必要に応じて多職種に橋渡しする立場にあるといえます。

 

よってこちらは該当しません。

選択肢4. 「介護予防通所リハビリテーションが利用できますよ」

要支援1の認定を受けたAさんは介護予防サービスとして、リハビリを通じて他者との交流を深めることもできます。すくみ足など運動機能低下の評価・改善、転倒予防、認知機能維持に加え、「地域行事に参加して交流したい」「今できていることを維持したい」という本人の希望と完全に合致するため、最も適切な助言です。

 

よってこちらが正解です。

まとめ

レビー小体型認知症は、根本的な治療方法はないため、長期的な療養が必要です。医療者は、家族が安心して療養に取り組めるように、正しい知識を普及し、対応方法をともに考え、支援する必要があります。

 

 

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